ヴィヴィッドの記録

日々感じたこと、考えたことを記録してます

春の記録、という名の睡眠の話

『寝付きが悪い人生』

 小学生くらいのときから寝付きが悪い。最近は基本的にすぐに眠れるようになっていたが、今年の春のはじめは久しぶりに自分の寝付きの悪さを自覚した。

 私は睡眠に対して貪欲だ。ロングスリーパーなので7.5時間以上眠らないと日中上機嫌に過ごせない。だから大人になった今でも日付が変わる前に布団に入るようにしている。市販の枕で首が痛くなったことがあるのでバスタオルとフェイスタオルでその日の姿勢に合わせて枕を作り、基本的に毎日同じ時間に眠ろうとする。興奮してしまうので寝る前に読書はしない。ひたすら犬を撫でている。子供の頃は別の部屋で楽しく喋っている家族のことを羨ましく思い、混ざりたくもあったが、翌日のことを考えて機械のように同じ時間に寝床に入る。

 だが、眠れない日がある。

 小中学生くらいまでは結構な頻度で眠れていなかった気がする。大学生くらいになってやっと同じ時間に眠れるようになった。社会人になると疲れるせいか眠れない日は少なくなった。

 だが3月はとても寝付きが悪かった。酔っ払わないとなかなか眠れない。なのに仕事は忙しく頭と身体は疲れている。ショートスリーパーだったら良かったのに、そう何度も思った。朝目が覚めて、頭が痛く、身体も重い、さっきまで寝ていたのにまだ眠りたいと思う。

 眠れない夜の曲はこの世の中にゴマンとある。大体何か考えて、窓の外が白んでいくのを見ている。その曲たちは内省的で世の中から切り離されているようで、そして少しだけ自分に対して暴力的で、美しい。だが、私の場合本当に眠れない夜は全然美しくもないしドラマティックでもないし、内省的でもない。ひたすら眠りたい、としか考えていない。過去のこととか、宇宙のこととか、明日のこととか、考えて夜が明けていくのを見たい。

 眠れない時私はずっと目を瞑っている。眠気がふいにやってきた時逃さないようにするためだ。眠れないからと言って起きてスマホをいじったり、夜中の通販番組を見たりしない。じっと眠気を捕まえようとする。寝返りも最低限にし、ひたすら身体の力を抜き、呼吸を整え、寝ようとする。

 でも眠れない。

 朝4時くらいになると新聞配達のバイクの音が聞こえ、絶望感が体を支配する。大体この時間帯になるとカラスが鳴いたりする。5時になると電車が走る音が聞こえ始める(我が家は線路に近いため静かになると電車が走る音が聞こえる)。この時間になると頭痛がし始め、もう眠るのを諦める。

 どんなに眠れなくても大体5時くらいになるとふいに眠りに落ちることができる。そして数時間後に目覚ましが鳴る。

 眠れない日々は急に終わる。

 何が原因で眠れないのか分からないが、いまは大変よく眠れているので原因を追求する気にもならない。

 そしてまたやってくる眠れない日々にノーガード、素手で戦いを挑むのだ。

 理由のある眠れない夜を過ごしたい。