ヴィヴィッドの記録

日々感じたこと、考えたことを記録してます

夏前の記録

 夏前、アホみたいなスケジュール。

 「推し活」って言葉、気に入ってます?わたしは全然気に入ってない。全然しっくりこない。こっちは名前を付けられる前から自然にやってることなのに、名前を付けられた途端、巷の人に「いいね〜、楽しそうだね〜」って感じに見られるのが気に入らない。昔は「なんで同じライブに何回も行くの?」という冷ややかな目だったのに。独身貴族の物好きなことに変わらないから冷ややかな目で見てほしい。

 そんなこんなで冷ややかな目で見られる6〜7月を過ごした。

 

 

 

「6月1週目」

 第1土曜日、京都へ。

 出張で貯めに貯めたマイルで羽田→伊丹へ。なおこのマイルはコロナ前に東欧周遊で使い果たす予定だったが行けずにずっと手元にある。

 前日の金曜日、日本列島は大雨に見舞われた。本当に飛行機が飛ぶのか心配になり、何度もJALのホームページを見るが何も案内が出ておらず、逆に心配になる。

 朝起きてもまだ雨がかなり降っており、電車遅延を見越して早めの電車に乗った。肌寒く、その日見るバンドのロンTを着て羽田空港へ。Twitterを見る限り、新幹線が運休になっており、行けないためチケット譲ります、が多く出ていた。飛行機にして正解だった模様。

 京都を観光するために早起きして早い飛行機に乗った。伊丹空港からはリムジンバスが一番便利であったが、なるべく節約、が今回の6月の旅の目標のため電車で移動。

 大阪へ降り立つ。晴天。とんでもなく暑い。なぜ私は長袖を着ているのか。京都に向かう電車内で、シェアサイクルに登録。観光地は自転車に限る。

 利用したシェアサイクルはこちら

 

PiPPA ピッパ | 自転車シェアサービス(自転車レンタル)

 

 ポートもそれなりにあり、安かったので登録。ポートに停めれば返却ができるため、短時間の移動にもってこいである。いつも東京のシェアサイクルを使っているが、それが電動自転車で、なぜかこれも電動だと思い込んでいた。炎天下、漕ぎ続けるのが本当に辛かった。

 日差しが強すぎたため、ユニクロでサングラスを購入。なるべく節約のつもりが思わぬ出費。だが、自転車の安全運転には変えられない。

 重森三玲の庭を見たいとずっと思っており、なかなか京都を観光する機会に恵まれず、今回やっと見ることが出来た。

 今回見たのは東福寺東福寺-芬陀院。他にもまわるつもりであったがタイムオーバーで断念。

 

トップページ - 臨済宗大本山 東福寺

東福寺 芬陀院

 

東福寺の入口?青空、暑すぎ。
東福寺の庭。市松模様がかわいい。

芬陀院の丸窓。光がかわいい。



 炎天下、30分自転車を漕いだ火照った身体で庭の前の縁側(と言うのだろうか?)に座る。人の喋り声と風が木々を揺らす音。ぼーっと枯山水や、揺れる葉っぱを見る。表面の体温がどんどん下がり気持ちが良い。昔の人も同じようにここに座り、何かを思案したり、思い耽った顔をしていると思いきや特に何も考えていない、みたいな時間を過ごしていたのだろうか?もしかしたら寺でやることは沢山あるからそんな時間はなかったんだろうか?

 そんなことを考えているとあっという間に時間が過ぎていった。まだまだ気持ち的にはいたかったが、予約をしている店があったため、また自転車に跨り、30分走らせる。京都の街はご存じの通り賽の目上になっており、道が大変分かりやすい。と思っていた。が、なぜかナビ通りに走らせているのにルートから外れてしまう怪奇現象が相次ぎ、無駄に遠回りし、汗をかいてしまう事態となった。

 汗だくのなか訪れたのが事前に予約をしていたカフェ

SUGiTORA公式ホームページ

    Instagramで発見し、ぜひ行ってみたいと思って、事前に予約。焼き菓子も買いたかったが、パフェを食べたら満足してやめてしまった。普段甘い物をあまり食べないが、甘さ控えめで上品な味がしており、ぺろりと食べてしまった。酸っぱい感じが汗をかいた身体に染みわたった。店の中は小さいながらも綺麗で、お皿も含めてこだわっていそうで好感が持てた。カフェは2階にあるのだがその階段が小さくとんでもなく急なので足腰が悪い人は訪れるのが難しいかもしれない。値段はそれなりにするので、カフェ利用しているのは20代~30代くらいで落ち着いた雰囲気でそれも良かった。テイクアウトの列に並んでいるのは若い方が多かった。

パッションと地中海レモンとフロマージュのパフェ。染みわたる酸っぱさ。

 

 そうこうしている間に開場時間を逆算するとギリギリになりそうだったため、店を出て、物販を買いに会場へ。

 本日の会場は関東人憧れの磔磔です。

 ライブハウスに行き始めてはや12年くらい。いわゆる小箱と言われるライブハウスに行くようになったのはここ5年くらいだが、ここは是非行ってみたい場所だった。

 見た印象は、酒蔵!!!って感じ。周りはお店と住宅のため、本当にここでライブして大丈夫なのか?と思ってしまう。

終演後に撮った写真。木がいい音を染み込ませた色をしている。

 お目当てだったCD(一般流通に乗っていないため、公式サイトの通販もしくは会場でしか買えない)とグッズを買い、一旦宿に行きチェックインを行なう。

 今回泊まった場所はこちら。

ゲストハウス 菜の花 | 京都の女性専用ゲストハウス

 

 コロナが流行っている最中(今も流行ってますが…)は宿代が安く、ビジネスホテルやシティホテルに泊まることが出来たが、最近は観光客が増えて、観光地で土日もしくはその前後の場合おおよそ昨年の2倍~3倍の印象だ。ライブを見て、観光して、でお金がかかっているため、余程の事情が無い限りこの宿代を削るしかないと思っている。京都は場所柄、ドミトリーやカプセルホテルが多く、また急遽決めた遠方のライブでなかったためかなり安く宿泊が出来た。泊まった宿はドミトリー(2段ベッドみたいなものが並んでいて他人と相部屋)と個室があり、今回は個室を選択。布団を敷くと一杯になってしまうような広さだが、寝るだけなら十分であった。女性専用の宿なのでそういう意味でも安心であった。(ちなみに個室は鍵がかけられるタイプ)シャワーと湯舟があり、湯舟にお湯を張る場合数百円かかるが、なぜかライブで泊まっている人は無料というサービス付き。今度また磔磔に来る際はここを利用しようと思った。誰だったか忘れたが、大きめのホールかアリーナでライブがあるようで妙齢の一人旅の女性が多く、夜も静かでよかった。

 チェックインのタイミングが他の方より少し早かったようで、個室を選べたのだが、就寝前にかけるメガネを忘れてしまったため、トイレと洗面所に近い部屋を選択。ドミトリータイプの宿に泊まる際は絶対にメガネを忘れないようにしようと心に誓った。

 荷解きをしてようやくライブへ。ツアーのmy初日はいつだって緊張と期待が入り混じって落ち着かない。アルバムツアーだからアルバム曲をやることは分かっているが、それ以外になんの曲をやるのか、どんなアレンジをするのか、どんな演奏をするのか、想像が止まらない。

 はじめての磔磔。中に入ると、想像以上の木造。こんなところでライブして平気なのか(騒音的に)心配になる。そして、構える上手前方の柱。圧倒的存在感。音が滲みまくった柱だ。なんとなく触るとご利益がありそうだったため触ってみた。番号が良かったため、この圧倒的存在感の柱より前に行くことが出来、視界良好そうだ。

 そして気付く。私、この規模でPeople In The Box を見るのはじめてなのでは?はじめて行ったツアーで横浜のF.A.Dで見たことがあったが、あの時は仕事で遅刻をしたため、後ろの方で人にまみれて見たので近さを意識することができなかった。

 さて。ライブだが、久々に、良いライブを見た!と終演後ルンルンで帰れるくらいに良かった。関西という土地柄なのか分からないが、関東より断然にノリが良く、音楽がかかるとノリノリに動いてしまう私にとってとても居心地が良かった。いつもは周りが棒立ちすぎて遠慮してしまう。隣にいた、純文学が好きそうな男性と好みが似ているようで、「あなたの中の忘れた海」のイントロが演奏された瞬間、共にひっと息を飲み、顔をおさえて天を仰いだ。

 わたしにPeople In The Box の存在を教えてくれた友人が、ピープルの曲たちはいつだって生きることを諦めてない、と言っていたが本当にそうだと思った。腹を立てることも、立てるべきことも、理不尽も沢山あるけど、その一つ一つをしかと見つめて、それを放り投げるのではなく、抱えて生きていくことを肯定してくれる。孤独じゃない、共に生きよう、一緒にいる、と言ってくれる音楽はこの世に大量にあるが、孤独で、一人であることを見つめ直させて、この世の理不尽に対して武器を持たせてくれるような気分になる、そしてその武器は柔らかであたたかい、そんな気分にさせてくれる音楽は少ないと思う。特定の誰か(達)と共に生きていくことばかり強制されているような日々のなかで、一人で歩く手伝いをしてくれる音楽は偉大だ。

 そんなことをぼんやりと考えながら友人が教えてくれた馬刺しと日本酒のお店へ。一人で飲みながら記憶を反芻する。ライブバンドは好きだ。音源を聴いているかのように完璧な演奏よりも、限られた人数で、限られた手数で、工夫をしながら演奏し、音源とは異なる風景を見せてくれるバンドが好きだ。舞台で演劇を見る時もダンスを見る時も、その人の個性が見えたり、空気のブレみたいなものが見える方が好きだ。

 お店を後にして、コンビニで缶ビールを買い、部屋で飲む。窓を開けると、涼しい風が入ってきて、とても気持ちがよかった。繁華街の喧騒は聞こえず、時々車が通る音や話し声が聞こえたりした。ピープルのライブを見た後では珍しく、軽い耳鳴りがしていた。

 

 ライブ翌日、昼前に関西在住の友人と大阪で待ち合わせし、昼から飲む。昼から飲むのはあまり好きではないが、たまにやると楽しい。

 大阪は「梅田駅」「大阪駅」に降り立つたびに一人では絶対歩けない…と思ってしまう。梅田駅なのか、大阪駅なのか、どこなのかよく分からない駅の地下街にある人気の大衆酒場へ。

酒場 やまと 大衆居酒屋大好き。

昼前からビールと日本酒を飲む。飲みながら昨日見たバンドのことや今日これから見るバンドのことや共通の好きなバンドや音楽の話を沢山し、ほろ酔いになったので、少し早かったが空港へ。大きい空港では、航空会社のラウンジが使える為、そこで時間を潰せばよいので、大変助かる。これも遠方の出張が重なる年があり、出張族以外は修行をしないとたどり着けない航空会社のランクにたどり着けたためだ。ラウンジが空いていたのでコーヒーを飲み、デスクに突っ伏して仮眠を取り、酒を抜く。数十分眠り、飛行機に乗り込み、機内でも爆睡をし、着陸する頃にはすっかりお酒も抜け、寝不足も解消され元気になった。こういう時、移動中はいくらでも寝れる、お酒に強く、体力もある身体にしてくれた親に深く感謝をする。

 

 本日のライブは勤務地の渋谷のためどこにコインロッカーがあるのか、どのルートが人混みを避けてライブハウスに行けるのか、何もかもが分かっていて、昨日とは打って変わって脳みそに余計な負荷をかけなくて済む。そんな土地で見るのは昨年のはじめからドはまりしてしまったAgeFactoryのワンマンライブである。いつもは場内の撮影がOKなため、SNSを見ているとバンバンライブ映像が見れるが、今ツアーは撮影禁止、セットリストのネタばれ禁止、ツアー二日目であるためどんな曲をやるのか分からない。ちなみに数日前に配信された新曲「向日葵」が大好きすぎてそれさえ聞ければなんでも良かった。※ちなみに新曲リリースツアーなので聞けるのは確定している。

 そこそこ後ろの方の番号であったが、ギターボーカルと逆側の下手はガラガラであり、まさかの前から二列目を確保する。しかも1列目が軒並み女性で私より身長が低く、視界が良好すぎて最早最前列。だがしかし、私はここで一抹の不安を覚える。ここ最近の彼らのライブはとにかく激しい、モッシュ、ダイブ、何でもありである。しかも客層が若く(おおよそ10代後半~20代前半)、この失われた数年のためとにかくダイブするのも受け止めるのも下手である。そうこう不安に思っているうちにどんどん人は増えてきて、どうにも引けなくなり、私が前にいる私より小さい女性たちを守る気持ちになってきた。セキュリティもいるしなんとかなるだろう。全治3か月と言われていたがずっと治らなかった怪我も、最先端の自費診療のおかげで治った。私はいける!と心に決めて、開演。

 結果、怪我も無く、恐らく周りの人も特に怪我無く終わった。が、全然ダイバーを上手く流せない、受け止められなかったので、反省した。久々すぎてびっくりして何人かの脚を掴んでしまった(危ないので絶対ダメです)。力を入れる=掴むという脳ミソの回路になっていることが分かった。そして体幹がかなり弱っていることが分かったため、筋トレをきちんとすることを心に決めた。ダイブが下手、流すのが下手、と思っていたが、私もかなり適応能力が落ちていた。こう書いていると私が行ったのはライブなのか、何かの競技なのかよく分からなくなってくる。そして前日との様相の違いに風邪を引きそうだ。

 ライブの様子はこんな感じ


www.youtube.com

 

 小学校の高学年~高校生くらいまではYoutubeで海外のフェスの映像ばかり見ていたため、ライブはわちゃわちゃしていて、何か間違えると怪我をしたり、最悪の場合死に至ると思っている節がある。だからその憧れの映像の中に自分がいると思うと、この年になってもぐちゃっとしたライブにはテンションが上がってしまう。いい年なので力加減は間違えないし、帰ったあとのケアは万全にするが。

 前述の通り彼らのライブは基本撮影OKで、それによって得られているファン層がきっといるのだからそれは間違いではないと思うが、閉じられた空間で起きたことに関しては基本的にはその空間に留めておいたほうがいいのではないか、という気持ちが少しある。最近SNSで見るモッシュダイブ論争とか、MCのこととか、一部のファンの悪質な行為とか。一部は公にした方が健全であるかもしれないが、SNS全盛期、その場にいない人の方がマジョリティで声が大きくなり、実はそうじゃないんだけど…というその場にいた人の声は小さくなってしまう。

 とにかくスポーツなのか、競技なのか、格闘技なのか、芸術文化鑑賞なのかよく分からないこの空間では怪我をしないこと、怪我をさせないように振る舞うことが一番大切だと思う。

 そんなこんなで両極端なライブハウスを見た二日間が終了。体は既にヘトヘトである。

 

「6月2周目」

 友人たちと牧場に行き、丘を駆けずり回った挙句、フェスに行くという、高校生もびっくりのハードスケジュールです。元々、牧場に行くことは決まっており、そこにフェスが飛び込んで来たので受けて立った次第。正確にはライブで知り合った友人に夜中のACIDMAN見たくない??一人で行くのはちょっと….と言われて行ったのだ。その友人から借りたサンシェード(簡易テントのような日除け)を持ち、牛の乳搾りをし、丘を走り、サイゼリアで間違い探しをし、アウトレットで買い物をし、夕方からフェスに行くという、体力自慢の私ですらちょっとあり得ないな、と思うスケジュールである。

 

牧場。アイスが美味しい。丘を走る、友人たち。

 フェスは運営サイドのことが心配になるような人入りで、そのおかげで快適に過ごせた。食べ物・飲み物・トイレに並ばないフェスというのはかなり快適なのである。場所は東京テレポートから専用バスで15分くらいの、一般公開されていない、公園(埋立地の島)である。周りには東京湾風力発電のめちゃめちゃ大きい風車があり、不思議な感覚だった。巨大風車を目の前で見るのは初めてで、ぶおん、ぶおん、と風を切る音と、耳で感じる風音がとても大きくて驚いた。

 前日に雨が降っていたため、会場内のあちこちがぬかるんでおり、公式もサンダルとかで来ないでね!とツイートしていたが、そのツイートを見た頃には既に家を出ており、通気性のよい軽いスニーカーを履いており、絶望した。着いて1時間程度、1組しかアーティストを見ていないのに、ぬかるみに足を突っ込み、靴下までびしょ濡れ、しかも何故かとてつもなく臭い、という最悪コンディションになり、テンションがどん底になった。

 日が暮れ始めると風も出てきはじめて、大変気持ちが良かった。サンシェードの中で裸足になり、ビールを飲み、歌を聴いて、なんとかテンションを保つ。完全に日が暮れたあと、花火がはじまる。夜ご飯を食べながら花火を見る。みんなでわあ、と声を上げながら見て、それだけで感動して、今日来た甲斐があったな、とじんわり思った。

 その後、出張帰りの誘ってくれた友人が合流。ビールを飲む。既に21時を過ぎていたが、演奏は爆音のまま。なぜなら誰もいない、島だから。

 ここから先で、お目当てのThe band apartACIDMANを見たが、記憶が曖昧である。何故なら夜中でぼうっとしていたから。あとはこの後に立て続けにライブに行ったからである。

 朝までひたすら爆音の演奏を聞く。キャンプサイトもあるが、おそらくずっと音楽が流れているので眠れないと思う。私は夜寝ないと全く行動ができないため、2日連続は絶対に無理だと思った。

 オールナイトのフェスはいつもそうだが、帰宅したあとのシャワーの気持ちよさと朝ごはんの美味しさばかり覚えている。朝帰りのシャワーってどうして、あんなに美しいんだろう?

曇天!TOKYO ISLAND 2023

 

「6月3週目」

 16日(金)有給休暇を取り、遠方のライブへ。丸一日休んで遠方のライブに行くのは久々で、やはりこれくらい時間に余裕を持って趣味に時間を費やしたいと思った。

 またもや溜まっていたマイルで、昼前に羽田発伊丹着。大阪だと新幹線のイメージがあるが、飛行機は満席に近い感じで、ビジネスマンが多い。座っている時間が短くて済むので、出張でも今後許されるなら飛行機を選択したいと思った。

 お昼頃に梅田駅なのか大阪駅なのかよく分からない場所に着。

 ちょうどこの日にシガーロスの新アルバムが発売されて移動中のバスで聞いていたが、とてもよく、心震え、流れる景色を見ながら涙した。美しすぎる音だ。涙目のままバスを降り、2週間前に飲んだ、関西在住の友人と合流。その後、関東在住の友人と合流。3人で昼飲みです。とにかくお腹が空いていたのと意外と時間がなかったため、すぐに入れそうだったこの店へ。

新なにわ大食堂 魚屋スタンドふじ

 

 2人がツマミを頼む中、私は海鮮丼を頼む。空腹になるとぼうっとしてしまうのと具合も悪くなるため周りのことは気にせず食べる。食べながらビールと日本酒を飲む。これからライブのため控えめに飲む。それから色んなことを喋って、グッズ販売がはじまる時間が近付いてきたため、会場へ。

 本日は私が愛してやまない、ACIDMANの「re:Loop」ツアーの初日。Loopは2003年に発売されたACIDMANの2枚目のアルバムでそのアルバムの再度ツアーをしようではないか!というのが今ツアーのコンセプト。2019年に1枚目のアルバムの再ツアーもやっており、この時はその当時のセットリストも再現という内容であった。今ツアーも再現という形を取るのか、はたまた全く違うセットリストが組まれるのかわくわくで会場へ向かう。

 ツアーの初日というのは独特な緊張感があっていい。その独特な空気感が好きでよく行くが、大体その空気感に飲まれてあまり覚えてない。今回も例に漏れず、あまり記憶がない。

 ただアルバムツアー以降やっていなかったマニアックな曲が演奏されたり、Loopの楽曲たちも音源とは違う凛々しさを感じられる印象を受けたり、と断片的な記憶はある。

 あと、前にいた3人組が公演中にスマホでLINEをしたりしていてとても目障りだった。叩き落としてやろうかと思ったがしなかった。偉い。

 そんなこんなであまり集中が出来ないままぼんやりとした感じで2時間が終わる。でもカッコいいものを見た、という感覚は残っているのでヨシとする。

 そんなこんなで見たものを反芻したりしなかったりしながら友人たちと飲む。が、結構疲れ果てていたので、飲みも途中で抜けて寝床へ。今回もカプセルホテル。

 今回の寝床はこちら。

ファーストキャビン西梅田 | ファーストキャビン公式サイト

 通常のカプセルホテルより広いが、ロッカーがないので荷物が大きいと結構大変かもしれない。でも寝るだけには最高。ホテルだと寝るまでにテレビを見たりして無駄に睡眠時間を削ってしまうのだが、カプセルホテルはそれが無いため結果よく眠れる。この日は周りの人のマナーが良かったのか、ぐっすり朝まで眠れた。

 

 翌日、とんでもない暑さ。またユニクロへ行く。無駄な出費。帰るだけならよいがこの日は神戸へ移動。セットリストがすごい、と私のTL上で話題になっていた、ストレイテナーのライブを見るためだ。大阪と神戸が、渋谷と横浜くらいの気持ちで移動できるのは知っていたので、Twitterでチケットを探し譲ってもらった。

 昼すぎに神戸に着く。神戸は昨年出張で3〜4ヶ月ほど週に1度来ていたのでお馴染みの街だ。前日も会った友人たちと神戸で合流。また昼から飲む。

 お酒はほどほどに、神戸の海沿いの公園を歩く。生まれてこの方横浜にいる私からしたらコンパクト版横浜で、大変馴染み深い。90度回転した、インターコンチがあった。

右端に見えるのが90°回転したインターコンチ

 

 ストレイテナーのワンマンを見るのは前回の周年の幕張メッセ以来のため5年ぶり。その時は1週間前くらいに行くことを決めてチケットを取ったので、すごく後ろの方から彼らを見た。その時から考えたら驚くべき近さである。

 彼らを認識したのは恐らく高校生の頃なので、それなりに長く存在は知っていたが深く掘ることはしていなかった。音源は時々有名曲を聴く程度、フェスにいたり好きなバンドの対バン相手なら進んで行く、くらいの存在であった。ワンマンではないが何度もライブを見て、その度に「カッコいい!!!」と鼻息荒くなっていたのだが、私はワンマンライブに行かなかった。何故なら、フロントマンのホリエアツシが私にとって大変興味深く目を惹く存在であったためである。じゃあ、行けばいいじゃん?という感じだが、ワンマンを見たら絶対ゾッコンになる気がしたので避けていた。(ちなみにライブ友達との飲み会で一番好きなバンドマンは?と聞かれれば、全然知らないしよく分かんないけどホリエアツシ、と答えていた。それくらい自覚があった)

 そんないかにも落とし穴が隠されていそうな地面を全速力で通過する記念すべき日が本日である。

 結論どうだったか、と言われれば、完全に落とし穴に落ちた。

 キャリアもあるから演奏は上手いし、曲はバラエティに富んでいるし、曲がいい!!と大声で言いたくなる。

 私が大好きなバンドたちは、客席のことは何となく塊で見ていそうな視線が多いのだが(本当のことは分からないが)、このバンド、めっちゃこっち見てくる。怖い!!!!自分が目が合わなくても、あの人のことを見ていそう、とかこの辺りを見ていそう、ということが分かるレベルの視線。しかもそれが4人分。

 話は逸れるが、今春はじめてアイドルのコンサートに行った。お客さんは皆うちわを持って、ファンサービスや視線を受けることを期待している。何でそんなことをしているのかよく分からなかったのだが、この日、ああ、あのうちわの意味はこれか、と謎に納得したのである。(だが私は認知されたくないタイプのオタクなので視線はあまり受けたくない)

 そんなことを思いながら楽しんだ2時間。久々に人の汗が服につくようなおしくらまんじゅう状態になる。人が降ってくることがないため、首やら頭やらを守らなくてよいのは大変良い。ぎゅうぎゅうになりながら、ヘトヘトになりながら、汗をかきながら、2時間過ごしたらもうトリコだった。

 ライブ後は友人たちとお酒を飲む。わたしは見たライブの映像がフラッシュバックしてまともに喋れなかった。ライブ中のホリエアツシかっこよすぎる。なぜかっこいいのかよく分からないけど、かっこいい。

 まともに喋れるようになったのはだいぶ酔いが回って、日付を超えるか超えないか、くらいの時間であった。

 

「6月4週目」

 1週間ぶりのACIDMANのライブ。この日程が発表された時何度もため息をついた。初日と東京(神奈川)は絶対に行きたい。となると日程が近すぎる。贅沢な悩みである。

 今日は地元開催のため、ギリギリまで在宅ワーク。定時と共にパソコンを閉じ、駅までダッシュ。ギリギリまで働けて有休を使わずに済むのは良いが、なかなか頭が切り替わらないのがつらい。

 初日はこちらもド緊張、で、しかも前にいた人たちが演奏中におしゃべり、スマホをいじるなど、最悪な環境であった。二日目、演奏も環境もすごく良く、集中して見ることが出来た。ライブ中盤で披露された「ALE」という曲がとても心に響いてぼろぼろと泣いてしまう。この楽曲は最新アルバムに収録されており、人工流れ星プロジェクトのALEから着想を得て作られた楽曲である。ポップでキラキラしていて、別に泣くような曲じゃないのだが、アルバムツアーから高確率で泣いている。なんというか「世界美しい・・・でもその美しさに気付けない日々、私はなにも見ていない・・・世界ごめん・・・美しいままでいてほしいから頑張ります・・・」という謎の壮大な気持ちになってしまい、泣いてしまう。この曲で泣いてしまう話をSNSで知り合った人たちにすると、あまり共感は得られないのでちょっと特殊な解釈をしている可能性が高い。

 終演後は横浜のチェーン店で軽く飲んで、帰宅。翌日も遠方のライブへ行くため、飲みすぎないようにした。

 土曜日、午前中に掃除や買い物、飼い犬の通院などを爆速で終わらせ、またもや溜まったマイルで飛行機へ。こういう時体力のある人間でよかった、と健康な体を維持してくれた両親に感謝する。ちなみに、今回の旅は、毎週のように遊びまわっている私を両親と妹が白い目で見始めたため、大阪土産を大量に買い、有無も言わせない、という目的もある。

 急遽決めた、People In The Boxの大阪公演に今回は参加。どうしてもライブハウスでもう一度このセトリを見たかったのである。はじめての梅田クアトロ。勝手にこちらもパルコの中にあると思っていたが、全然違う場所にあった。入場まで階段で待たされるのだが(こちらは渋谷クアトロと同じ)、この階段がくそ暑い。汗だくになりながら入場。梅田クアトロは段が何段かあって大変見やすそうな構造。いつも下手(ギターボーカル側)にいるのだが、何となく上手(ドラム側)で鑑賞。

 何が要因かよく分からないが、3曲目くらいまで音が小さく聞こえて(前日も爆音に晒されているので小さく聞こえた可能性は高い)、あれ?と思っていたが、それ以降はまあまあな音量になり、気にならなくなった。そしてまさかの1曲、曲が追加されて驚く。これだからライブに行くのはやめられない。聴けると思っていなかった曲が演奏されたとき、何かしらの脳内物質が大量に放出されている気がする。

 やはり私は3ピースバンドが好きだなと思う。ピープルの演奏を見るたびにその思いがはっきりする。2日連続で美しい三角形を目撃できて心がほくほくした。

 京都で見た時に感じた、「一人で歩く手伝いをしてくれる」という感覚がやはりあった。前日に見たACIDMANが宇宙に連れて行ってくれて、美しい星を見せてくれる、美しい景色を見せてくれるような音楽で、ピープルはこの地球のこの土地のこの社会の中で生きていく方法を見せてくれるような音楽だなと思った。

 好きなバンドは沢山あるけれど、やっぱりこの2バンドが大好きだなあ、としみじみ思ったのであった。

 いつか2マンしてほしい。その中でACIDMANは「廻る、巡る、その核へ」やって、ピープルは「ヨーロッパ」「JFK空港」をやってほしい。でも腰と膝が爆散しそうだ。(説明すると、1曲が長いバンド、あまり動かないバンドをスタンディングで見ると腰と膝がとんでもなく痛くなります)

 ライブ後は奈良でAge Factoryを見てきた友人と合流して日本酒をしこたま飲む。友人は終電に乗れたが、私は終電を逃す。大阪メトロトラップ!!

 翌日せっせと大量の大阪土産を買う。551は肉まん以外が美味いと友人に教わったので購入。本当に美味かった。ちまき美味い。

大阪と言えば、のラインナップ。あとカールも買った。

【ところで】

 この記録を書いている間に夏が始まり、終わった。死を意識するような暑さを乗り越えて、私は棲家が変わり、仕事は近年稀にみる忙しさで、楽しかった記憶もずっと遠くへいってしまった。

【ところで、おわり】

 

 そんなこんなで6月終了。7月も続くが、現在11月でほぼ覚えてないので、割愛。

 特記事項としては一旦諦めたストレイテナーの熊本公演を見に行った。一旦諦めた、と書いたが全く諦められておらず、夢にホリエアツシが出演したため、行くことを決めたのであった。そこで泊まったドミトリーが最高にカッコよかったです。あと同じ建物に入っていた、レストランの店員がバンドマンみたいでカッコよかったです。

熊本で泊まったドミトリー。家具にもこだわりを感じられる。

tudzura.jp

ライブの翌日行ったカフェ。町屋を改装している。

珈琲回廊 | 日本、熊本県熊本市中央区西唐人町20

 

 

 これからもマイルを溜めて、健康な体を保ち、音楽を聴き、ライブにポーンと行けるような生活を目指して、心身健やかに生きたいと思います。