ヴィヴィッドの記録

日々感じたこと、考えたことを記録してます

1月、2月の記録

 

聴いてたもの

今年はこの一つのプレイリストにまとめることを決意。なので随時こちらに曲が増えていきます。

yonigeの「Empire」が素晴らしい出来。いい音がする。日常の目線のマクロとミクロを行ったり来たりする歌詞がとても好き。再録だけどseedの歌詞と音に痺れる。



大阪でフォロワーと遊ぶ

フォロワーとUSJに行った。この3人では昨年ディズニーシーにも行った。小雨程度で丸一日遊べたので良かった。横浜でも気合い入れれば9:30にUSJに着けることが分かった。

ディズニーと違って園内で流れている音楽が洋楽ヒットチャートみたいなやつなので、The1975が流れた時には唐突にフォロワーと踊った。音楽好きフォロワー、楽しい人が多くて、テンションあがりポイントが同じで、大変心地が良い。

 夜は場所を変えて、ほかのフォロワーも合流して飲み会。国外に赴任してしまうフォロワーと、金沢に住んでるフォロワー。金沢に住んでいる方、無事で本当に良かった。でもこういう時どんな言葉をかけたらよいか分からなくて、何も言えなくなってしまう。金沢は大好きな街だ。市内も好きだし、能登の方にも行ったことがあり、その雄大さ、美しさに感激した。魚は美味しいし、野菜も美味しいし、美しい建物があり、伝統工芸があり、最高の日本酒たちがある。隣接してる福井も富山も素晴らしかった。また北陸に遊びに行きたいと思う。

 翌日はフォロワーたちと映画ゴールデンカムイを見に行く。映画を見終わったあとカフェで感想大会をして、学生みたいで楽しかった。わたしの愛してやまないバンドが主題歌をやっているため、映画も見たし、漫画も読んだが、これが無ければ私はこの作品に触れることはなかっただろうな、と思った。 アイヌのこと、描き方や映画制作上の扱いの問題はあるのだろうけど、私はこの作品がなければ自分で興味を持って調べる、ということをしなかったと思うので、そういう「知らないことがあることがわかる=調べる」という習慣がある人間に対しては良いのだと思う。そういう習慣がない人間はそこに描かれているものが全てだと思ってしまう。

 それにしてもタイアップというのはすごい。毎日のようにテレビから曲が流れるし、ラジオもテレビもたくさん出演するし、こんなことははじめてである。ずっと戸惑ったまま数ヶ月が経過した。

 映画はとても面白かった。頼むからちゃんと最後まで撮ってくれ。

 

行ったライブたち

Survive Said The Prophet(ビルボード東京)

 ZARAで買った爆かわ黒シャツを着てデカ目のイヤリング付けてモリモリで行ったら、カジュアルな人だらけで逆に浮いてしまった。彼らはいわゆるハードロック的なジャンルに分類されるのだろうけど、本当にアコースティックアレンジが上手なので早くアコースティックアルバムを出してほしい。相当曲数があるはず。

 

ストレイテナー (横浜)

 昨年から行なっているツアーの後半戦。ちなみに前半は主要都市を除いた小さめのハコを周り、後半戦は主要都市メインのツアー。ファンクラブ的なものに入っておりそこの先行で取ったにも関わらず、微妙な整理番号。それだけチケットが出ているのか、すごいな、と関心する。まだファンになって日が浅いためどの曲も新鮮な気持ちで聴ける。数回目のライブだが、恐らくセンター寄りの下手で見るのが好きっぽい。本当はベースも見たいのに、いつの間にかに視野がボーカルに占拠されているので、目を4つにするか、草食動物並みの視野になりたい。

 友人に見終わったあとにこの話をしたら4つの目でホリエアツシ(ボーカル)見るでしょ、と言われ、ぐうの音も出なかった。おっしゃる通りです。

 

ACIDMAN(東京)

    前述の映画主題歌の「輝けるもの」リリース公演。映画効果ではじめて見る方や久しぶりに見る方が多そうで、ファンが増えたらいいなーと思っている。会場内は映画のポスターやらが貼られていて、またもや恐るべきタイアップ……となった。

 アンコールで20年来の友人で映画にも出演している玉木宏が出てきて、自分の口から聞いたことのないひえええという叫びが発せられた。めちゃめちゃカッコよかった。スタイルがよい。声がよい。のだめカンタービレの頃からずっと好きなので嬉しかった。かっこいい年の重ね方をしている俳優さんだ。

 自分の前二列が恐らく関係者席で、開演直前までお仕事されていてお疲れ様です、と言った感じであったが、スマホの画面が丸見えで、なんか告知の動画とかが見えてしまった。私もまあまあ秘匿性の高い情報を持っている場合があるため気をつけようと思った。街中でデカい声で電話するのも気をつけよう……。

 ライブのセットリストは良くも悪くもいつも通りでいつも通り感動した。結構気合が入ってる演奏で、MCが初心者向けの宇宙講座で焼き増しされた内容でちゃんとまとまっていたので、そういうことちゃんと考えるんだ…ってしみじみ思いました。いつもは宇宙オタクが早口で捲し立てるように喋っているので……。

 最近は首都圏の大箱もソールドアウトしないような状況なため、本当にファンが増えることを切に願います……。

 

ストレイテナー (広島)

 横浜公演後、どうしてもあと一回では耐えきれなくなってチケットを買った。広島は出張で何度も訪れているが毎回大慌てでこなしているため、一度ゆっくり行きたいと思ったため、訪問を決めた(旅行的内容は後述)。

 広島クラブクアトロは1000人は入らないような箱で、クアトロ名物の柱も無く、段もあり大変見やすい場所であった。

 ライブは大変楽しく、高い新幹線に乗って来た甲斐があった、と思える内容だった。

 最愛のバンドのACIDMANが精神的に正装をし、身を清めて見るようなライブをするのに対して、こちらはあくまで普段着で参加できるような空気の柔らかさを感じられる。終わった後も肉体的には疲れているが精神的にダメージを食らうようなことは今のところない。

 前方はもみくちゃになるため、とても汗をかき、とんでもない湿気の中2時間を過ごした。夏の現場が恐ろしい……。

 美しい歌声とEmoを感じられるギター、ご存知のうねるようなベース、爆発力のあるドラム、多彩な楽曲も玉手箱みたいで楽しい。歌詞に焦点を当てると、抽象的イメージを具体的な言葉の羅列で浮かび上がらせるような曲や恐らく日常ではあるが、非日常を潜ませたような描き方をする曲など、こちらもバラエティに富んでいる。個人的に具体的な言葉の組み合わせで別の景色を浮かび上がらせるような歌詞が大好きで、こういった曲は恐らく現在のキャリアの前半〜中盤に多いのだが、その少し前の曲もちょくちょくやってくれるのが嬉しい。

 本ツアーは各会場、リクエストの曲をやってくれるのだが、広島は「DIVE」という曲。前述の「具体的言葉」でイメージを浮かび上がらせるような曲。ピアノと韻の踏み方が気持ちがよい。後半、濁流のようになって思考やイメージの世界に吸い込まれていくような音像がとても印象的だった。かっこいい曲なのでこれからもやってほしい。

 

LITE(東京)

 整番1番で、最前列でライブを見た。整番1番だ!やったー!と思って呼ばれたので入場したらどうやらファンクラブのチケットが先に入場できるという約束だったらしく、それが会場スタッフに伝わっていなかった模様。つまり私の1番は全然1番じゃなかった。1番で入っちゃったけど。(ちなみに1番で入ったが、途中で抜かされた)

 最前列、全然音が悪くて、ダメだな〜と思ってしまった。ベースが好きだからベースの前にいたらベースばっかり聞こえて、他が弱すぎ。新しいアルバムのお披露目と20周年ライブだったのだが、新曲のクオリティがもう少し!って感じだったので今後に期待。こういう音楽は少しのズレが巨大になる。今回のアルバムはボーカルが入っている曲が多いのだが、インストバンドとして好きになったのでインストを求めてしまう…逆は別になんとも思わないのだが、なぜだろう。インストバンドでこれくらい楽曲の分かりやすい爆発力みたいなものがあるバンドは少ないので、ハマったのだが、新曲たちはその爆発力が小さく、まだ今の所楽しみ方が分からない。あとはじめて気がついたがボーカル入れると、それを目立たせるためかベースの動きとギターの音の鳴りが減るんだな。ボーカルが聞こえなくなるから当たり前といえば当たり前なのだが。

 

cinema staff/People In The Box (東京)

 cinema staffというバンドが、八週連続恵比寿リキッドルームにてライブをするという企画で、私の好きなバンドPeople In The Box が対バン相手であった、四週目に行った。(1〜7週目が対バンで、最終週のみワンマンという企画らしい)

 この2バンドは以前同じレーベルにいて、レーベルメイトというやつだ。Wikipedia情報によると1年しかかぶっていないっぽい。

 現在、資格取得のために学校に通っているのだが、1時間早退してライブハウスへ。前週のLITEが人あまり入ってなかったのが分かるくらいの人の多さ。たぶん開演までに呼び出しが終わっていない気がする。

 いつものSEが鳴り、People In The Box の演奏がはじまる。セットリストは新旧が入り混じる、大歓喜セットリストだった。あまりにも良すぎて転換に1時間かけてほしいくらいだった。

 ピープルの楽曲はすごく複雑なことをしているようだけど、複雑を複雑なまま見せるのではなく、ポップで軽やかに見せているのがすごい、と毎回思ってしまう。

 楽曲のなかにある、「虐殺」「戦争」「経済」のイメージがぐるぐると頭のなかを通り過ぎて、それがはっきりと現実の世界と連結した。楽曲の軽やかさと、言葉の重みと、音の快楽性と、轟音と、色んなものが複層的にまざりあって心と身体がバラバラになりそうだった。

 「翻訳機」という楽曲の歌詞の最後にある「悲しいね、悲しいね、悲しいね、ときどき楽しいね」が沁みた。悲しすぎる世界に悲観的になりすぎないような光をくれる楽曲たちだ。

 これからはじまるツアーが楽しみだ。




一泊二日広島ライブ旅行

 朝9時の新幹線で出発。ちなみに同じ週に新幹線に忘れ物をしてしまい、それを無事にピックアップし、乗車。三連休、初日。指定席は予約で満席で、運良く窓際の席に座れたので快適であった(新幹線のトイレが嫌いで、席を立たないため窓側の席に絶対座りたい)。乗車後、乗車前にコンビニで買ったコーヒーとパンを食べる。こういう時に駅弁とか食べると旅情が出ていいかと思うが、冷めたご飯が苦手、朝ご飯をしっかり食べるとお腹を壊す、という理由でいつもこんな感じ。あと出張に行き過ぎて、新幹線に旅情を感じなくなってしまった。

 24時間ネット使いたい放題のプラン(200円)に加入し、ひたすらNetflixDr.HOUSEを見る。このドラマ面白いのでオススメです。富士山に目もくれず、ひたすら医療ドラマです。腰と股関節が痛くなってきたところでまだ新大阪で、泣きたくなった。だから広島に行かないんだ…ってしみじみ思った。そこからまたドラマを見て、居眠りをし、12時30分すぎに広島着。すでにヘトヘトである。

広島駅

 宿のチェックインが16:00〜、ライブの開場が16:00〜という絶望的状況のため、ひたすらコインロッカーを探すが、宿の近くの出口付近に全くなく、大荷物のままライブハウスのある繁華街の方へ。移動途中で空腹に気が付き、フォロワーにオススメグルメを聞き、お店へ。

 初・あなご飯。大変美味であった。鰻よりあっさりしていてタレも濃くなくて、ぺろりと完食。鰻より穴子の方が好きかもしれん。この一泊二日で一番高い食事。旅は美味しいご飯と美味しいお酒で構成されるので旅行中はケチらないことにしている。

うえののあなご飯

 

 その後物販でタオルを買い、会場近くの角打ちへ。日本酒を頂いた。

 入社2年目のときにはじめて一人で遠方の現場を担当させられ、それが広島だった。そこで夜、一人で日本酒を飲み、その美味しさに感動し、日本酒が大好きになったのだ。毎度毎度一人でたくさん飲んで、酔っ払いながらホテルに帰ってたのは良い思い出。だがしかし私も年を重ね、今はもう疲れるのでそんなことはあまりしない。

 そんなこんなで今でも日本酒は山陽山陰地方のものを選びがち。

ラベルがかわいい。おどるハナハト(榎酒造/呉市) 旭鳳(旭鳳酒造/呉市)

 日本酒を半合ほど飲んで、そのあと試飲をさせてもらって、ライブハウスのコインロッカーが使える時間になったため会場へ。全国津々浦々、色んなところから集まったフォロワーと会って、おしゃべりをする。

 ライブ後にお酒を飲める場所を探すが、連休中、とにかく断られまくる。別の方が入れるお店を探し当ててそこでビールと焼肉(鶏)を頂いた。店主の方が一人でお店を回していて手伝ってあげたいほどだった。座れてビールを飲めるだけで満足だったので、ほどほどにごはんを食べて解散。本当はラーメンを食べたかったが、シャワーとドライヤーを使える時間が決まっているためなくなく街を後にした。

 今回のお宿はいわゆるホステルタイプ。女性専用で安かったので泊まった。ちなみにホテルは軒並み一万を超えていて、どういうことだろう?と思っていたら、新しい球技場?ドーム?がオープンしたらしくそこで試合があったらしい。スポーツ全然わからない。

 ホステルはシャワー等が共用のため、場所によっては厳密に使用可能時間が決まっている。慌てて帰ったのは良かったが、ライブの余韻に浸りながら荷物を整理したりシャワーを浴びたりしていたらドライヤーを使える時間を超えてしまって、濡れた髪のまま横になった。濡れた髪のまま寝るのなんて何年ぶりだろう、とか考えながら寝た。

 

 朝、他人の支度の音で予定より早く起床。エアコンが暑かったり寒かったりで熟睡出来ていない気がするが、仕方ない。今日は原爆ドームと資料館に行くことを決めていた。

 ライブの他の日程を追加しようと思った時、ソウルメイトがどうやら最近広島へ行ったらしく(Xのポストで断片的に知ってる)、そういえば広島にゆっくり滞在したことがないな、と気が付き、広島行きを決めた。何度も広島へ行ったことがあるのに、一度も原爆ドームの近くに行ったことがなく、資料館に入ったこともない。それが何となくまずい気がして行こうと心に誓った。

 私の母は、パワースポット・寺社仏閣・戦争遺産・大きな病院・お墓・古い旅館、その他諸々、色々な気が集まるところが苦手で、そういう場所に行くと、本当にぶっ倒れたり、具合が悪くなったりするため、小さい頃からそういう場所には行かないように、とよく言われていた。そしてその言い付けを守っていた。(高校生くらいまでは私もそういう場所が苦手で、かつ人混みも苦手でターミナル駅や劇場など密度が高い場所に行くと必ず酷い偏頭痛で吐き気と戦っていた)しかし、歳を重ね、色々な場所を訪れるようになり、どうやら私は母ほど繊細な人間ではないことに気が付き、避けていた場所に一人で行くようになった。

 そういう背景もあり、もしぶっ倒れたらどうしよう、という不安も少し抱えつつ、向かう。

 天気は曇天。路面電車は満員であったため、レンタサイクルで、広島駅から自転車を走らせた。自転車で20分のはずがいつも通り道に迷い40分かかった。

 道に迷った結果、原爆ドーム側から入って資料館に行くつもりが、資料館の前にいた。しかも資料館には長蛇の列で、このあとの昼食や移動を考えるとまずい気がしたため、列に並ぶ。列に並んでいると、公園の入り口に海外からの団体の観光客がいて、慰霊碑が写るところで笑顔で記念写真を撮っていて何とも言えない気分になった。並んでいる資料館の渡り廊下のようなところの下の形状がとても美しく惚れ惚れした。今回はじめて知ったが、丹下健三の建築だった。建築関係の仕事をしているのに全く詳しくない。何なら丹下健三、は入社してから覚えた人名である。

資料館入口

 20〜30分並んで入場。暗く長い廊下を渡って展示室へ。この時に展示室を見終わった人とすれ違う。この時は何故こんな導線にしているんだろう?と思った。

 まず広い空間で原爆の爆心地付近がマッピングされた展示を見る。今風のプロジェクションマッピングである。そこから別の部屋に行き、展示を見ていくのだが、人が多く全く進まない。目の前の惨いとしか言えない写真を見るしかないスピードでの歩み。このままこのスピードで見るのは辛いな、と思いつつ、じりじり進む。

 誰も喋らずにじっと展示を見る。キャプション、説明を丁寧に読む。こんなに人が沢山いるのにこんなに静かな展示室ははじめてかもしれない。目を背けたくなるような展示ばかりだが、なるべく丁寧に読む。途中、涙が溢れてきて視界が滲んでいたが、頑張って読み続け、見続ける。展示の後半になるとベンチで座って休んでいる人が増えていく。私は座らずにフェイスタオルで涙を拭いながら見続ける。自分がどうして泣いてるかもよく分からなかった。悲しみなのか、感情移入して辛いのか、怒りなのか、絶望なのか、苦しいのか、それとも隣にいた外国語を喋る女性が泣いていてそれのもらい泣きなのか、全然わからなかった。

 メインの展示室が終わり、薄暗い部屋を出ると大きな窓があり、そこに薄曇りの柔らかな光が差し込んでいた。窓の向こうには公園の慰霊碑、慰霊碑の前に並ぶ人、原爆ドーム、慰霊碑に続く水の路、公園を歩く大人、子供、犬が見える。その光景を見た瞬間、ぼろぼろ泣いてしまった。ぼろぼろ泣きながらその外の光景を見た。薄曇りのなかの光景がすごく美しく見えた。それから、ぼんやりとハンドタオルじゃなくてライブ用のフェイスタオルを持ってきてよかった、なんて思ったりもした。泣きながら窓に面した廊下をゆっくり歩いて気持ちを落ち着けた。それから順路に従って、これから展示室に入る人たちとすれ違う。その表情を見て、この廊下ですれ違う意味が自分なりに分かった。私はほんの数時間前の自分とは絶対に違う。これを見る前には絶対に戻れない。

 外に面した受付前の空間にはまだまだたくさんの人がいた。展示室の中の人、この空間にいる人、列に並んでいる人、過去に来た人、その全員とその人から話を聞いた友人・家族全員が日常の美しさと尊さと儚さを分かってそれを守りたいという気持ちを切に持てば何かが変わるのかな、と思ったりした。

 外に出て、慰霊碑の前まで歩き、手を合わせた。

 もうその頃にはヘトヘトで、偏頭痛の兆候が出ていたため、原爆ドームの近くまで歩くことは出来なかった。少しぼんやりしながら公園の中を歩いて、お腹すいたなあ、とぼんやり思って、公園を出た。バス停の前に彫刻と折り鶴とお水があった。彫刻にカラスが止まっていた。お水、お供えで持ってくるの知らなかったなあ、とまたぼんやり思って眺めていると、雨が降ってきた。バスは雨が降ってそのあとすぐにやってきた。バスの車窓から川や路面電車や新しいビルをぼうっと眺めて広島駅に向かった。

 

 人間、疲れていてもお腹は空く(私の場合は)。

 フォロワーに教えてもらったお好み焼き屋さんに行って牡蠣お好み焼き(そば)とビールを頂く。お好み焼きにそばorうどん、という謎の選択肢があり、迷うがうどんの状態が不明すぎてそばを選択。次行った時はうどんにしたい。

 

飲みかけのビールが臨場感たっぷり。いっちゃんの牡蠣お好み焼

 どうやらとてもお腹が空いていたようで出てきた時に食べられるかな、と思ってた量をペロリと完食。もう一枚食べるか迷って、すごく迷ってやめた。流石に前日から食べ過ぎ、飲み過ぎである。

 それから駅に向かった。駅までの道すがら赤十字・原爆病院という文字を見た。今までも何度か見て「広島だもんな」と思っただけの文字だった。今生きている人たちのことを少しだけ思った。それから駅で荷物をピックアップして空港へ向かい、帰宅した。

 その日は実家に帰宅し、広島土産を披露して、渡して、そのあと実家の夕食をたらふく食べた。実家の犬をとにかくたくさん触った。多分相当心に負荷がかかっていたのだと思う。(あとでスマートウォッチの記録を見たら資料館で見てる間中、ずっと心拍数が110〜120overだったので納得した)

 お風呂の中で今日見たものを思い出してまた泣いた。なんで泣いているのかは全然まだわからない。数日経って分かったのは「なぜこんなことするんだろう?したんだろう?」という怒りが私の中に少しあるということだ。

 あの戦争から時間が経って少しは世界も良くなった。多分。しかし、それでも、生活をしている者たちがその生活、命、を奪われたり、歪められたり、そんなことが毎日起こっている。やっぱりそういう時は地球ごと無くなっちゃえ、って思ってしまうのだけど、それでは何の解決にもならないのだと思う。寧寧とくらす私が大声を上げることで何の意味があるのか、どんな大声を上げればいいのだろうか、そういうそもそものことばかり気になってしまって、そういうそもそも論が気になってしまうのがわたしの性質だと分かっていても自分に対してイライラしてしまう。勉強しなければ、調べなければならないな、と思うが、日々の仕事や家事や楽しみや快楽を優先してしまう。それでもやっぱり、少しずつでもいいから自分を納得させて小声から上げていかなければならないな、と思った。しかしながら、事態は切迫しており、そもそもをノロノロと調べている場合ではないのだろう。論理ではなく感情で、命を命として扱わないことに抗議しなければならない。

 今までの私なら、自分優先の自分がいることに気が付いて終わりなので、少し進歩したと思う。

 

 前述のソウルメイトが広島に行った記録を書いている。本当に同じものを見ているのか不安になるレベルの詳細さ。私は見たものを頭の中でぐちゃぐちゃに混ぜて一つのものとして処理してしまうクセがある。映画でもドラマでも舞台でも印象に残った2〜3カットを写真のように覚えているだけで詳細の輪郭がすぐに曖昧になってしまう。詳細の輪郭を覚えていられる人間が、旅行記やライブレポートを書けるんだろうな、と思う。

ソウルメイトの記録

gizmooooo.hatenablog.com

 どうして私は色んな場所に行きたいと思うのだろう?知らないものを見るのが楽しいから、知らないことを知りたいから、美味しいものを食べたいから、日常から抜け出したいから、普段見ないものを見て普段考えないことを考えたいから。色々ある。

 色んな場所に行くとその場所が自分がいた場所になって、その色んな場所がざっくりとした場所、ではなく、確かに自分がいた空間になる。自分ごとが増えていく。そんな感じで自分を拡張していけたら、色々なことを思いやれるかな、とか甘いことを考えている。