ヴィヴィッドの記録

日々感じたこと、考えたことを記録してます

1月、2月の記録

 

聴いてたもの

今年はこの一つのプレイリストにまとめることを決意。なので随時こちらに曲が増えていきます。

yonigeの「Empire」が素晴らしい出来。いい音がする。日常の目線のマクロとミクロを行ったり来たりする歌詞がとても好き。再録だけどseedの歌詞と音に痺れる。



大阪でフォロワーと遊ぶ

フォロワーとUSJに行った。この3人では昨年ディズニーシーにも行った。小雨程度で丸一日遊べたので良かった。横浜でも気合い入れれば9:30にUSJに着けることが分かった。

ディズニーと違って園内で流れている音楽が洋楽ヒットチャートみたいなやつなので、The1975が流れた時には唐突にフォロワーと踊った。音楽好きフォロワー、楽しい人が多くて、テンションあがりポイントが同じで、大変心地が良い。

 夜は場所を変えて、ほかのフォロワーも合流して飲み会。国外に赴任してしまうフォロワーと、金沢に住んでるフォロワー。金沢に住んでいる方、無事で本当に良かった。でもこういう時どんな言葉をかけたらよいか分からなくて、何も言えなくなってしまう。金沢は大好きな街だ。市内も好きだし、能登の方にも行ったことがあり、その雄大さ、美しさに感激した。魚は美味しいし、野菜も美味しいし、美しい建物があり、伝統工芸があり、最高の日本酒たちがある。隣接してる福井も富山も素晴らしかった。また北陸に遊びに行きたいと思う。

 翌日はフォロワーたちと映画ゴールデンカムイを見に行く。映画を見終わったあとカフェで感想大会をして、学生みたいで楽しかった。わたしの愛してやまないバンドが主題歌をやっているため、映画も見たし、漫画も読んだが、これが無ければ私はこの作品に触れることはなかっただろうな、と思った。 アイヌのこと、描き方や映画制作上の扱いの問題はあるのだろうけど、私はこの作品がなければ自分で興味を持って調べる、ということをしなかったと思うので、そういう「知らないことがあることがわかる=調べる」という習慣がある人間に対しては良いのだと思う。そういう習慣がない人間はそこに描かれているものが全てだと思ってしまう。

 それにしてもタイアップというのはすごい。毎日のようにテレビから曲が流れるし、ラジオもテレビもたくさん出演するし、こんなことははじめてである。ずっと戸惑ったまま数ヶ月が経過した。

 映画はとても面白かった。頼むからちゃんと最後まで撮ってくれ。

 

行ったライブたち

Survive Said The Prophet(ビルボード東京)

 ZARAで買った爆かわ黒シャツを着てデカ目のイヤリング付けてモリモリで行ったら、カジュアルな人だらけで逆に浮いてしまった。彼らはいわゆるハードロック的なジャンルに分類されるのだろうけど、本当にアコースティックアレンジが上手なので早くアコースティックアルバムを出してほしい。相当曲数があるはず。

 

ストレイテナー (横浜)

 昨年から行なっているツアーの後半戦。ちなみに前半は主要都市を除いた小さめのハコを周り、後半戦は主要都市メインのツアー。ファンクラブ的なものに入っておりそこの先行で取ったにも関わらず、微妙な整理番号。それだけチケットが出ているのか、すごいな、と関心する。まだファンになって日が浅いためどの曲も新鮮な気持ちで聴ける。数回目のライブだが、恐らくセンター寄りの下手で見るのが好きっぽい。本当はベースも見たいのに、いつの間にかに視野がボーカルに占拠されているので、目を4つにするか、草食動物並みの視野になりたい。

 友人に見終わったあとにこの話をしたら4つの目でホリエアツシ(ボーカル)見るでしょ、と言われ、ぐうの音も出なかった。おっしゃる通りです。

 

ACIDMAN(東京)

    前述の映画主題歌の「輝けるもの」リリース公演。映画効果ではじめて見る方や久しぶりに見る方が多そうで、ファンが増えたらいいなーと思っている。会場内は映画のポスターやらが貼られていて、またもや恐るべきタイアップ……となった。

 アンコールで20年来の友人で映画にも出演している玉木宏が出てきて、自分の口から聞いたことのないひえええという叫びが発せられた。めちゃめちゃカッコよかった。スタイルがよい。声がよい。のだめカンタービレの頃からずっと好きなので嬉しかった。かっこいい年の重ね方をしている俳優さんだ。

 自分の前二列が恐らく関係者席で、開演直前までお仕事されていてお疲れ様です、と言った感じであったが、スマホの画面が丸見えで、なんか告知の動画とかが見えてしまった。私もまあまあ秘匿性の高い情報を持っている場合があるため気をつけようと思った。街中でデカい声で電話するのも気をつけよう……。

 ライブのセットリストは良くも悪くもいつも通りでいつも通り感動した。結構気合が入ってる演奏で、MCが初心者向けの宇宙講座で焼き増しされた内容でちゃんとまとまっていたので、そういうことちゃんと考えるんだ…ってしみじみ思いました。いつもは宇宙オタクが早口で捲し立てるように喋っているので……。

 最近は首都圏の大箱もソールドアウトしないような状況なため、本当にファンが増えることを切に願います……。

 

ストレイテナー (広島)

 横浜公演後、どうしてもあと一回では耐えきれなくなってチケットを買った。広島は出張で何度も訪れているが毎回大慌てでこなしているため、一度ゆっくり行きたいと思ったため、訪問を決めた(旅行的内容は後述)。

 広島クラブクアトロは1000人は入らないような箱で、クアトロ名物の柱も無く、段もあり大変見やすい場所であった。

 ライブは大変楽しく、高い新幹線に乗って来た甲斐があった、と思える内容だった。

 最愛のバンドのACIDMANが精神的に正装をし、身を清めて見るようなライブをするのに対して、こちらはあくまで普段着で参加できるような空気の柔らかさを感じられる。終わった後も肉体的には疲れているが精神的にダメージを食らうようなことは今のところない。

 前方はもみくちゃになるため、とても汗をかき、とんでもない湿気の中2時間を過ごした。夏の現場が恐ろしい……。

 美しい歌声とEmoを感じられるギター、ご存知のうねるようなベース、爆発力のあるドラム、多彩な楽曲も玉手箱みたいで楽しい。歌詞に焦点を当てると、抽象的イメージを具体的な言葉の羅列で浮かび上がらせるような曲や恐らく日常ではあるが、非日常を潜ませたような描き方をする曲など、こちらもバラエティに富んでいる。個人的に具体的な言葉の組み合わせで別の景色を浮かび上がらせるような歌詞が大好きで、こういった曲は恐らく現在のキャリアの前半〜中盤に多いのだが、その少し前の曲もちょくちょくやってくれるのが嬉しい。

 本ツアーは各会場、リクエストの曲をやってくれるのだが、広島は「DIVE」という曲。前述の「具体的言葉」でイメージを浮かび上がらせるような曲。ピアノと韻の踏み方が気持ちがよい。後半、濁流のようになって思考やイメージの世界に吸い込まれていくような音像がとても印象的だった。かっこいい曲なのでこれからもやってほしい。

 

LITE(東京)

 整番1番で、最前列でライブを見た。整番1番だ!やったー!と思って呼ばれたので入場したらどうやらファンクラブのチケットが先に入場できるという約束だったらしく、それが会場スタッフに伝わっていなかった模様。つまり私の1番は全然1番じゃなかった。1番で入っちゃったけど。(ちなみに1番で入ったが、途中で抜かされた)

 最前列、全然音が悪くて、ダメだな〜と思ってしまった。ベースが好きだからベースの前にいたらベースばっかり聞こえて、他が弱すぎ。新しいアルバムのお披露目と20周年ライブだったのだが、新曲のクオリティがもう少し!って感じだったので今後に期待。こういう音楽は少しのズレが巨大になる。今回のアルバムはボーカルが入っている曲が多いのだが、インストバンドとして好きになったのでインストを求めてしまう…逆は別になんとも思わないのだが、なぜだろう。インストバンドでこれくらい楽曲の分かりやすい爆発力みたいなものがあるバンドは少ないので、ハマったのだが、新曲たちはその爆発力が小さく、まだ今の所楽しみ方が分からない。あとはじめて気がついたがボーカル入れると、それを目立たせるためかベースの動きとギターの音の鳴りが減るんだな。ボーカルが聞こえなくなるから当たり前といえば当たり前なのだが。

 

cinema staff/People In The Box (東京)

 cinema staffというバンドが、八週連続恵比寿リキッドルームにてライブをするという企画で、私の好きなバンドPeople In The Box が対バン相手であった、四週目に行った。(1〜7週目が対バンで、最終週のみワンマンという企画らしい)

 この2バンドは以前同じレーベルにいて、レーベルメイトというやつだ。Wikipedia情報によると1年しかかぶっていないっぽい。

 現在、資格取得のために学校に通っているのだが、1時間早退してライブハウスへ。前週のLITEが人あまり入ってなかったのが分かるくらいの人の多さ。たぶん開演までに呼び出しが終わっていない気がする。

 いつものSEが鳴り、People In The Box の演奏がはじまる。セットリストは新旧が入り混じる、大歓喜セットリストだった。あまりにも良すぎて転換に1時間かけてほしいくらいだった。

 ピープルの楽曲はすごく複雑なことをしているようだけど、複雑を複雑なまま見せるのではなく、ポップで軽やかに見せているのがすごい、と毎回思ってしまう。

 楽曲のなかにある、「虐殺」「戦争」「経済」のイメージがぐるぐると頭のなかを通り過ぎて、それがはっきりと現実の世界と連結した。楽曲の軽やかさと、言葉の重みと、音の快楽性と、轟音と、色んなものが複層的にまざりあって心と身体がバラバラになりそうだった。

 「翻訳機」という楽曲の歌詞の最後にある「悲しいね、悲しいね、悲しいね、ときどき楽しいね」が沁みた。悲しすぎる世界に悲観的になりすぎないような光をくれる楽曲たちだ。

 これからはじまるツアーが楽しみだ。




一泊二日広島ライブ旅行

 朝9時の新幹線で出発。ちなみに同じ週に新幹線に忘れ物をしてしまい、それを無事にピックアップし、乗車。三連休、初日。指定席は予約で満席で、運良く窓際の席に座れたので快適であった(新幹線のトイレが嫌いで、席を立たないため窓側の席に絶対座りたい)。乗車後、乗車前にコンビニで買ったコーヒーとパンを食べる。こういう時に駅弁とか食べると旅情が出ていいかと思うが、冷めたご飯が苦手、朝ご飯をしっかり食べるとお腹を壊す、という理由でいつもこんな感じ。あと出張に行き過ぎて、新幹線に旅情を感じなくなってしまった。

 24時間ネット使いたい放題のプラン(200円)に加入し、ひたすらNetflixDr.HOUSEを見る。このドラマ面白いのでオススメです。富士山に目もくれず、ひたすら医療ドラマです。腰と股関節が痛くなってきたところでまだ新大阪で、泣きたくなった。だから広島に行かないんだ…ってしみじみ思った。そこからまたドラマを見て、居眠りをし、12時30分すぎに広島着。すでにヘトヘトである。

広島駅

 宿のチェックインが16:00〜、ライブの開場が16:00〜という絶望的状況のため、ひたすらコインロッカーを探すが、宿の近くの出口付近に全くなく、大荷物のままライブハウスのある繁華街の方へ。移動途中で空腹に気が付き、フォロワーにオススメグルメを聞き、お店へ。

 初・あなご飯。大変美味であった。鰻よりあっさりしていてタレも濃くなくて、ぺろりと完食。鰻より穴子の方が好きかもしれん。この一泊二日で一番高い食事。旅は美味しいご飯と美味しいお酒で構成されるので旅行中はケチらないことにしている。

うえののあなご飯

 

 その後物販でタオルを買い、会場近くの角打ちへ。日本酒を頂いた。

 入社2年目のときにはじめて一人で遠方の現場を担当させられ、それが広島だった。そこで夜、一人で日本酒を飲み、その美味しさに感動し、日本酒が大好きになったのだ。毎度毎度一人でたくさん飲んで、酔っ払いながらホテルに帰ってたのは良い思い出。だがしかし私も年を重ね、今はもう疲れるのでそんなことはあまりしない。

 そんなこんなで今でも日本酒は山陽山陰地方のものを選びがち。

ラベルがかわいい。おどるハナハト(榎酒造/呉市) 旭鳳(旭鳳酒造/呉市)

 日本酒を半合ほど飲んで、そのあと試飲をさせてもらって、ライブハウスのコインロッカーが使える時間になったため会場へ。全国津々浦々、色んなところから集まったフォロワーと会って、おしゃべりをする。

 ライブ後にお酒を飲める場所を探すが、連休中、とにかく断られまくる。別の方が入れるお店を探し当ててそこでビールと焼肉(鶏)を頂いた。店主の方が一人でお店を回していて手伝ってあげたいほどだった。座れてビールを飲めるだけで満足だったので、ほどほどにごはんを食べて解散。本当はラーメンを食べたかったが、シャワーとドライヤーを使える時間が決まっているためなくなく街を後にした。

 今回のお宿はいわゆるホステルタイプ。女性専用で安かったので泊まった。ちなみにホテルは軒並み一万を超えていて、どういうことだろう?と思っていたら、新しい球技場?ドーム?がオープンしたらしくそこで試合があったらしい。スポーツ全然わからない。

 ホステルはシャワー等が共用のため、場所によっては厳密に使用可能時間が決まっている。慌てて帰ったのは良かったが、ライブの余韻に浸りながら荷物を整理したりシャワーを浴びたりしていたらドライヤーを使える時間を超えてしまって、濡れた髪のまま横になった。濡れた髪のまま寝るのなんて何年ぶりだろう、とか考えながら寝た。

 

 朝、他人の支度の音で予定より早く起床。エアコンが暑かったり寒かったりで熟睡出来ていない気がするが、仕方ない。今日は原爆ドームと資料館に行くことを決めていた。

 ライブの他の日程を追加しようと思った時、ソウルメイトがどうやら最近広島へ行ったらしく(Xのポストで断片的に知ってる)、そういえば広島にゆっくり滞在したことがないな、と気が付き、広島行きを決めた。何度も広島へ行ったことがあるのに、一度も原爆ドームの近くに行ったことがなく、資料館に入ったこともない。それが何となくまずい気がして行こうと心に誓った。

 私の母は、パワースポット・寺社仏閣・戦争遺産・大きな病院・お墓・古い旅館、その他諸々、色々な気が集まるところが苦手で、そういう場所に行くと、本当にぶっ倒れたり、具合が悪くなったりするため、小さい頃からそういう場所には行かないように、とよく言われていた。そしてその言い付けを守っていた。(高校生くらいまでは私もそういう場所が苦手で、かつ人混みも苦手でターミナル駅や劇場など密度が高い場所に行くと必ず酷い偏頭痛で吐き気と戦っていた)しかし、歳を重ね、色々な場所を訪れるようになり、どうやら私は母ほど繊細な人間ではないことに気が付き、避けていた場所に一人で行くようになった。

 そういう背景もあり、もしぶっ倒れたらどうしよう、という不安も少し抱えつつ、向かう。

 天気は曇天。路面電車は満員であったため、レンタサイクルで、広島駅から自転車を走らせた。自転車で20分のはずがいつも通り道に迷い40分かかった。

 道に迷った結果、原爆ドーム側から入って資料館に行くつもりが、資料館の前にいた。しかも資料館には長蛇の列で、このあとの昼食や移動を考えるとまずい気がしたため、列に並ぶ。列に並んでいると、公園の入り口に海外からの団体の観光客がいて、慰霊碑が写るところで笑顔で記念写真を撮っていて何とも言えない気分になった。並んでいる資料館の渡り廊下のようなところの下の形状がとても美しく惚れ惚れした。今回はじめて知ったが、丹下健三の建築だった。建築関係の仕事をしているのに全く詳しくない。何なら丹下健三、は入社してから覚えた人名である。

資料館入口

 20〜30分並んで入場。暗く長い廊下を渡って展示室へ。この時に展示室を見終わった人とすれ違う。この時は何故こんな導線にしているんだろう?と思った。

 まず広い空間で原爆の爆心地付近がマッピングされた展示を見る。今風のプロジェクションマッピングである。そこから別の部屋に行き、展示を見ていくのだが、人が多く全く進まない。目の前の惨いとしか言えない写真を見るしかないスピードでの歩み。このままこのスピードで見るのは辛いな、と思いつつ、じりじり進む。

 誰も喋らずにじっと展示を見る。キャプション、説明を丁寧に読む。こんなに人が沢山いるのにこんなに静かな展示室ははじめてかもしれない。目を背けたくなるような展示ばかりだが、なるべく丁寧に読む。途中、涙が溢れてきて視界が滲んでいたが、頑張って読み続け、見続ける。展示の後半になるとベンチで座って休んでいる人が増えていく。私は座らずにフェイスタオルで涙を拭いながら見続ける。自分がどうして泣いてるかもよく分からなかった。悲しみなのか、感情移入して辛いのか、怒りなのか、絶望なのか、苦しいのか、それとも隣にいた外国語を喋る女性が泣いていてそれのもらい泣きなのか、全然わからなかった。

 メインの展示室が終わり、薄暗い部屋を出ると大きな窓があり、そこに薄曇りの柔らかな光が差し込んでいた。窓の向こうには公園の慰霊碑、慰霊碑の前に並ぶ人、原爆ドーム、慰霊碑に続く水の路、公園を歩く大人、子供、犬が見える。その光景を見た瞬間、ぼろぼろ泣いてしまった。ぼろぼろ泣きながらその外の光景を見た。薄曇りのなかの光景がすごく美しく見えた。それから、ぼんやりとハンドタオルじゃなくてライブ用のフェイスタオルを持ってきてよかった、なんて思ったりもした。泣きながら窓に面した廊下をゆっくり歩いて気持ちを落ち着けた。それから順路に従って、これから展示室に入る人たちとすれ違う。その表情を見て、この廊下ですれ違う意味が自分なりに分かった。私はほんの数時間前の自分とは絶対に違う。これを見る前には絶対に戻れない。

 外に面した受付前の空間にはまだまだたくさんの人がいた。展示室の中の人、この空間にいる人、列に並んでいる人、過去に来た人、その全員とその人から話を聞いた友人・家族全員が日常の美しさと尊さと儚さを分かってそれを守りたいという気持ちを切に持てば何かが変わるのかな、と思ったりした。

 外に出て、慰霊碑の前まで歩き、手を合わせた。

 もうその頃にはヘトヘトで、偏頭痛の兆候が出ていたため、原爆ドームの近くまで歩くことは出来なかった。少しぼんやりしながら公園の中を歩いて、お腹すいたなあ、とぼんやり思って、公園を出た。バス停の前に彫刻と折り鶴とお水があった。彫刻にカラスが止まっていた。お水、お供えで持ってくるの知らなかったなあ、とまたぼんやり思って眺めていると、雨が降ってきた。バスは雨が降ってそのあとすぐにやってきた。バスの車窓から川や路面電車や新しいビルをぼうっと眺めて広島駅に向かった。

 

 人間、疲れていてもお腹は空く(私の場合は)。

 フォロワーに教えてもらったお好み焼き屋さんに行って牡蠣お好み焼き(そば)とビールを頂く。お好み焼きにそばorうどん、という謎の選択肢があり、迷うがうどんの状態が不明すぎてそばを選択。次行った時はうどんにしたい。

 

飲みかけのビールが臨場感たっぷり。いっちゃんの牡蠣お好み焼

 どうやらとてもお腹が空いていたようで出てきた時に食べられるかな、と思ってた量をペロリと完食。もう一枚食べるか迷って、すごく迷ってやめた。流石に前日から食べ過ぎ、飲み過ぎである。

 それから駅に向かった。駅までの道すがら赤十字・原爆病院という文字を見た。今までも何度か見て「広島だもんな」と思っただけの文字だった。今生きている人たちのことを少しだけ思った。それから駅で荷物をピックアップして空港へ向かい、帰宅した。

 その日は実家に帰宅し、広島土産を披露して、渡して、そのあと実家の夕食をたらふく食べた。実家の犬をとにかくたくさん触った。多分相当心に負荷がかかっていたのだと思う。(あとでスマートウォッチの記録を見たら資料館で見てる間中、ずっと心拍数が110〜120overだったので納得した)

 お風呂の中で今日見たものを思い出してまた泣いた。なんで泣いているのかは全然まだわからない。数日経って分かったのは「なぜこんなことするんだろう?したんだろう?」という怒りが私の中に少しあるということだ。

 あの戦争から時間が経って少しは世界も良くなった。多分。しかし、それでも、生活をしている者たちがその生活、命、を奪われたり、歪められたり、そんなことが毎日起こっている。やっぱりそういう時は地球ごと無くなっちゃえ、って思ってしまうのだけど、それでは何の解決にもならないのだと思う。寧寧とくらす私が大声を上げることで何の意味があるのか、どんな大声を上げればいいのだろうか、そういうそもそものことばかり気になってしまって、そういうそもそも論が気になってしまうのがわたしの性質だと分かっていても自分に対してイライラしてしまう。勉強しなければ、調べなければならないな、と思うが、日々の仕事や家事や楽しみや快楽を優先してしまう。それでもやっぱり、少しずつでもいいから自分を納得させて小声から上げていかなければならないな、と思った。しかしながら、事態は切迫しており、そもそもをノロノロと調べている場合ではないのだろう。論理ではなく感情で、命を命として扱わないことに抗議しなければならない。

 今までの私なら、自分優先の自分がいることに気が付いて終わりなので、少し進歩したと思う。

 

 前述のソウルメイトが広島に行った記録を書いている。本当に同じものを見ているのか不安になるレベルの詳細さ。私は見たものを頭の中でぐちゃぐちゃに混ぜて一つのものとして処理してしまうクセがある。映画でもドラマでも舞台でも印象に残った2〜3カットを写真のように覚えているだけで詳細の輪郭がすぐに曖昧になってしまう。詳細の輪郭を覚えていられる人間が、旅行記やライブレポートを書けるんだろうな、と思う。

ソウルメイトの記録

gizmooooo.hatenablog.com

 どうして私は色んな場所に行きたいと思うのだろう?知らないものを見るのが楽しいから、知らないことを知りたいから、美味しいものを食べたいから、日常から抜け出したいから、普段見ないものを見て普段考えないことを考えたいから。色々ある。

 色んな場所に行くとその場所が自分がいた場所になって、その色んな場所がざっくりとした場所、ではなく、確かに自分がいた空間になる。自分ごとが増えていく。そんな感じで自分を拡張していけたら、色々なことを思いやれるかな、とか甘いことを考えている。

 

2024年の目標の話

 

 

 毎年目標を立てることに何の意味があるのか、とも思うが、1年くらいは何かしらの目標を持って生きてみたい、という気持ちをこめて今年も目標を立てる。

 目標は思い付いた順です。

 

大きな目標

 

1.本を読む

 毎年恒例の目標。昔と比べるとだいぶ読書量が減った。電車に乗るとすぐにスマホを開いてしまう。これをなるべく少なくしたい。移動時間が多いのだから沢山本は読めるはずだから読みたい本は読むように努力する。本を読むと頭の中が整理される感覚があり、頭にも心にもよい気はしている。

 小説はもちろんのこと、自分の興味があるジャンルの専門書、入門書も読みたい。

 インスタントに「わかる!」「身に付く」は目指さない。こつこつと頭のなかに知識を積んでいきたい。

 

2.文章を書く

 年々、文章が下手になっている気がする。それに比例して自らの意見や考えを喋って伝えることも下手になっている気がする。文章は書くこと、読むことで上手くなる気がするので、書くことも忘れない。ジャッジせずに気の向くまま何だっていいから書くことを目標としたい。

 

3.身体を動かす

 それ以上でも以下でもない。自らの身体と向き合い、感じる時間を作る。

 最近少しだけプールに泳ぎに行っているのだが、余裕を持って泳ぐことが出来ない。死に物狂いで25mを泳ぐことしかできない。ゆっくり泳げるようになりたい。ダイビングのフィンキックも上手くなりたいな。

 自重トレーニングだけではなく少しだけでもいいからウエイトトレーニングも取り入れたい。脚と腕を逞しくしたい。腹筋を割りたい(つまり減量も必須である)。

 

4.取捨選択をする

 リベンジの目標。やりたいことをかたっぱしからやるのが私の良いところでもあるとは思うのだが、目についたものから手をつけて、こなす事を目標にしてしまうのが悪いところだ。ちゃんと考えてから行動する。考えたうえで選択をするのは良しとする。

 

5.お金の管理をちゃんとする

 それ以上でも以下でもない。



小さな目標

 

・好きなもの、好きなことをちゃんと認識しよう

 嫌いなもの以外が好きなものではないことをちゃんと意識しよう。何が好きなのか、どうして好きなのかを考えてみる。考えても何も生まれないけどそれが分かると取捨選択もできる気がする。

 

・機嫌よくいられる場所を確保しよう

 心がささくれ立つような場所に居続けることが楽だからといってずっといる必要はないのだ。いる間はささくれ立っていることに気が付かないから難しいけれど。

 機嫌よくいられる場所はきっと世の中に沢山あるのだからそれを見付けて生活の中に取り入れていきたい。だがしかし同じ場所にいることは楽なのだ。楽は難しい。蔑ろにできない感情だ。

 

・すてきなものを見よう

 新品でぴかぴかしているものが素敵とは限らない。美術館、博物館、映画館、劇場、ライブハウス、レストラン、ホテル、近所の道、公園、色んな場所に出向いてすてきなものを見たい。こう書き出すとそれは「文化」であるような気がするな。

 

・なげやりにならないようにしよう

 タスクが積み重なるとすぐに投げやりになってしまうから気を付ける。投げやりに「えいや!」とこなしたものをそれなりに見せることが小さいころから得意すぎる。

 

・身体を動かそう(続)

 ヨガちゃんとやる。ピラティスちゃんとやる。ダンスもちょっとやる。体力をつけるために時々有酸素運動もやる。階段を使う。歩く。

 

 そんな感じで朗らかな1年にしたいな。

2024年の目標の話

 

 

 毎年目標を立てることに何の意味があるのか、とも思うが、1年くらいは何かしらの目標を持って生きてみたい、という気持ちをこめて今年も目標を立てる。

 目標は思い付いた順です。

 

大きな目標

 

1.本を読む

 毎年恒例の目標。昔と比べるとだいぶ読書量が減った。電車に乗るとすぐにスマホを開いてしまう。これをなるべく少なくしたい。移動時間が多いのだから沢山本は読めるはずだから読みたい本は読むように努力する。本を読むと頭の中が整理される感覚があり、頭にも心にもよい気はしている。

 小説はもちろんのこと、自分の興味があるジャンルの専門書、入門書も読みたい。

 インスタントに「わかる!」「身に付く」は目指さない。こつこつと頭のなかに知識を積んでいきたい。

 

2.文章を書く

 年々、文章が下手になっている気がする。それに比例して自らの意見や考えを喋って伝えることも下手になっている気がする。文章は書くこと、読むことで上手くなる気がするので、書くことも忘れない。ジャッジせずに気の向くまま何だっていいから書くことを目標としたい。

 

3.身体を動かす

 それ以上でも以下でもない。自らの身体と向き合い、感じる時間を作る。

 最近少しだけプールに泳ぎに行っているのだが、余裕を持って泳ぐことが出来ない。死に物狂いで25mを泳ぐことしかできない。ゆっくり泳げるようになりたい。ダイビングのフィンキックも上手くなりたいな。

 自重トレーニングだけではなく少しだけでもいいからウエイトトレーニングも取り入れたい。脚と腕を逞しくしたい。腹筋を割りたい(つまり減量も必須である)。

 

4.取捨選択をする

 リベンジの目標。やりたいことをかたっぱしからやるのが私の良いところでもあるとは思うのだが、目についたものから手をつけて、こなす事を目標にしてしまうのが悪いところだ。ちゃんと考えてから行動する。考えたうえで選択をするのは良しとする。

 

5.お金の管理をちゃんとする

 それ以上でも以下でもない。



小さな目標

 

・好きなもの、好きなことをちゃんと認識しよう

 嫌いなもの以外が好きなものではないことをちゃんと意識しよう。何が好きなのか、どうして好きなのかを考えてみる。考えても何も生まれないけどそれが分かると取捨選択もできる気がする。

 

・機嫌よくいられる場所を確保しよう

 心がささくれ立つような場所に居続けることが楽だからといってずっといる必要はないのだ。いる間はささくれ立っていることに気が付かないから難しいけれど。

 機嫌よくいられる場所はきっと世の中に沢山あるのだからそれを見付けて生活の中に取り入れていきたい。だがしかし同じ場所にいることは楽なのだ。楽は難しい。蔑ろにできない感情だ。

 

・すてきなものを見よう

 新品でぴかぴかしているものが素敵とは限らない。美術館、博物館、映画館、劇場、ライブハウス、レストラン、ホテル、近所の道、公園、色んな場所に出向いてすてきなものを見たい。こう書き出すとそれは「文化」であるような気がするな。

 

・なげやりにならないようにしよう

 タスクが積み重なるとすぐに投げやりになってしまうから気を付ける。投げやりに「えいや!」とこなしたものをそれなりに見せることが小さいころから得意すぎる。

 

・身体を動かそう(続)

 ヨガちゃんとやる。ピラティスちゃんとやる。ダンスもちょっとやる。体力をつけるために時々有酸素運動もやる。階段を使う。歩く。

 

 そんな感じで朗らかな1年にしたいな。

2023年の振り返り

 

 

聴いていた音楽の話

 

上半期

スクリレックスの新譜と昔聴いていたロックを掘り起こす日々。

メタル大好きな40〜60代の人っていつまでメタル好きなんだろう?いつまでメタリカやらアイアンメイデンの話するんだろう?って昔から思ってたけど、気が付いた。私も90〜00年代のロック(オルタナグランジ?エモ?)の話ずっとしてるし、ずっと聴いてる。どうして10代後半の時に聴いていた音楽はあんなに輝いていて瑞々しくて、生々しく聞こえるんだろう?

 

下半期

引き続き、ロックを聴く。プレイリストに入れてないけどSaosinをよく聞いた。エモロック、何歳になっても好き。わたしの好きなバンド、Survive Said The Prophetのライブに行くとエモロックに魂を取られた30〜40代が大量にいて、謎の客層で面白い。前方に若者だけでなくエモロックファンの亡霊みたいな人たちが多いので、ボーカルに筋トレ頑張ろうね!って言われる、謎の集会。

仕事が忙しく、新しい音楽を見つけられなかった。情報源は音楽オタクの弟のみです。

 

代わりに最近はポッドキャストを聴いている。お気に入りのポッドキャストたちです。





今年の目標の話

年初に立てた目標は4つ!

(1)興味があることを勉強する

(2)取捨選択をする

(3)本を読む

(4)日常的な節約をする

 

(1)興味があることを勉強する

達成率0%

夏前くらいから仕事が忙しくなりはじめ、忙殺されたまま12月。勉強のべの字もなかった。

(2)取捨選択をする

達成率5%

遠方のライブに行きまくり、ダイビングをして、ちゃんと筋トレもした!選択の連続だ!!捨ててない!!もう少し筋トレ、ボディワークに時間をかけたかったな。

(3)本を読む

達成率20%

読めたような、読めなかったような。本当はもっと読みたい。前までは新書――といってもビジネス本などは読まずに哲学や心理学のものが多いが――をよく読んでいたので来年は復活させたい。

(4)日常的な節約をする

達成率50%

仕事柄外に出ていることが多く、なかなか節約らしい節約ができなかった。が、自動販売機で買う回数を減らしたり、お弁当を作ったりした。けれど日常以外に使うお金が多すぎる。あと節約していると心が縮んでいく気がして、少し経つとばーっとお金を使ってしまうのをどうにかしたい。

 

目標達成総括

平均18.75%という低い目標達成率です。

 夏から秋まで仕事が忙しく目の前に迫るタスク、目を離した隙に溜まる未読メール、身体から離した瞬間から増えていく不在着信の通知を処理するのに必死であった。

 仕事にプライベートの予定が左右されるのが1番のストレスだと思っているおかげで、そんな多忙な時期でもグループ展に参加、趣味のライブ鑑賞を欠かさず、おまけにダンスの公演に参加、まで付け足してしまって目標なんて全部忘れた状態で生きていた。自分の好きなもの、好きなことに向かうことによって正気を保っているような気がした、夏秋。土日に用事を詰め込んだことにより、休息時間が取れず、見事にコロナに感染した。2回目の感染である。運が良いことに何の後遺症もなく、元気に生きている。

 

今年買った物たち

 コト消費は得意だが、物を買うことが苦手な私。今年はいい物、ずっとほしいと思っている物を買ってみようと意識した。結果、コト消費もしまくり、散財。でも幼少期から「死んだらお金はあの世に持っていけないよ!」「使わないとお金に意味はないよ!」と言われて育てられたので、我が家の教育方針的には満点である。

 

ドライスーツ

 年初にフルオーダーのドライスーツを購入した。信頼できるショップさんで計測してもらい、デザインを考え、購入。ドライスーツ用インナー等をつけてもらい、30万円程度でした。ちなみに計測した際は怪我でほぼ動けていない状態で、それから筋トレ等を復活させたら、腰以下が大きくなってしまい、一度手直しをしてもらっている(こちらは無料)。そういう所も含めてコミュニケーションが取れる場所で作れたのは大きい。だが、仕事が忙しくなかなか潜れていない。本末転倒。

 

・GIVENCY「プリズム・リーブル・スキンケアリング・グロウ」

 ソウルメイトにオススメしてもらって購入したファンデーション。高けえ!!って思いながら買ったが1顔面0.5~1プッシュで塗れるほど伸びがよいので別に高くはなかった疑惑が浮上している。全然減らない。ツヤ感が出て、マット感は無く、カバー力は高くない。体感だが、肌に負荷がかかってなさそうな感じがする。ナチュラルメイクで、カバー力を求めていない方にはオススメです。あんまり使っている人いないけど。ちなみにこれまではRMKのリクイドファンデーションを長いこと使っていて、途中SHU UEMURAに浮気したがすぐに元に戻り数年同じものを使っていた。

 あと凄いいい匂いがするのでテンションが上がる。



Garmin Descent G1 (ダイブコンピューター)

 そろそろ購入しないとな、と思って早数年。やっと購入。最初はApple watchの一番上位モデルにして普段使いも使用かと思っていたが、使っているダイバーを見たことがないため、腹をくくってダイブコンピューターを購入。何で時計にこの値段を・・・と思ったがただの時計ではないのでしょうがない。一番安いものを買うつもりが、見ていたらお値段が手頃で色とデザイン、見やすさ(海の中なのでここが結構重要)で予算を数万オーバーして購入。約8万円でした。

 ダイビング中しか使えないと思っていたが、まさかのフェスで役に立つことが判明。スマホと連携させているため通知が来るので一緒に行っている友人などからの連絡に気が付かないということがない。Suicaを入れているので決裁が出来、飲食ブースで手がふさがっている際に便利。海にドボンと沈めても大丈夫な防水性・耐候性なので、屋外フェスだろうがなんだろうが問題ない。頑丈なのでモッシュやらダイブを喰らってもたぶん大丈夫。雨の屋外でスマホで時間を見るのは嫌なのでそういう原始的な使い方もできる。

 まさかの一石二鳥だった。

 

・Carthusia「ジェルソミーニ ディ カプリ」

 コロナ前に会社の研修でフランスに行った際に購入したFragonardのジャスミンの香水が好きな香りでそれ以降それっぽいのをひたすら探していたがなかなか出会えなかった。ちなみに日本から既に撤退しており、購入する正規ルートは無い。

 現在東京の巨大魔宮商業施設と言われている(言われてないです。完全に偏見です)麻布台ヒルズには数店舗香水屋さんが入っており、その中の一店舗で購入。

 まずすっきりとしたジャスミンの香り、このすっきりとした、というところがポイントが高い。それと同時に少し柑橘っぽい香りとスパイスっぽさを感じる。時間が経つと何故かベビーパウダーのような香りがする。ちょっとなつかしさを感じる香り。これが少し想定外でフェミニンすぎたな、と思っている。これよりももう少し草っぽい香りがするジャスミン系の香水があれば教えてほしい。

 総じて好きな香りなので付けるとテンションが上がる。

 昔は香水が嫌いだったが、これは香水が嫌いなのではなく、嫌いな香りが多いだけなのであった。

 ちゃんとボトルのものを買って思ったのだが、香水って高い。

 

 

最近考えている問題

・人生未設計問題

 人生計画がない。そもそも計画を立てることが苦手で、いつでも何かを選択できるような状態にしておきたい、と思いながら高校受験をし、大学受験をし、就職をした。少し学力に余裕を持って高校を選んだのは、入学後勉強を沢山しなければならない状態になって、自分の好きなことを選択する時間がなくなるのが嫌だったから。大学進学を選んだのは、大学卒業の文字が無くて職業選択の自由が無くなるのが嫌だったから。正社員で就職、を選んだのは、いざ何かをしたいときにその資金および社会経験がないことにより選択の自由がなくなることが嫌だったから。

 自由ばかり、余白ばかり残すだけで、他に特に何も考えていないため、ずーっとのりしろが残っている状態で30歳を超えた。

 良い悪いの判断はしたくないが、設計をしている人間に出会うと、何となく自分が子供な気がして、少し後悔をする。が今更計画を立てられない。穏やかに生きて、死んでいくことしか理想がない。

 となると穏やかな状態、を定義しなければならないな、と思う。

 一生こんな抽象的なことばかり考えるのだろうな。

 

・家問題

 32歳、独身(多分一生)、女性、正社員、実家は賃貸、の私であるが、ここ数年家を購入したほうがよいのか賃貸のままでいいのかをずっと考えている。マンションを購入するならある程度住んだら売ってまた別のものを買って住んで、というのをやった方がいいということは分かっているのだがそんな労力を使えるのか?とも思っている。

 退職後、一人になった際に家を借りられなくなったら困るので購入、という消極的な考え方で購入を考えているが、そもそもこの少子高齢化の時代に老人に家を貸さなくなったら空き家だらけになるのでは?とも思って杞憂で終わる気もしている。子供がいれば購入したものを引き継ぐこともできるが、ただ今生分だけのために何千万のものを購入する気にもならない。頑張って労力を使って転がすのか、賃貸に住み続けるのか、悩んでいる間に数年経ちそうな問題だ。

 

・好きなもの問題

 SNSばっかり見ていると本当に自分が好きなものが何かわからなくなるな、と思う最近。来年は自分の好きをちゃんと見つめたい。

 

・アイドル好きになっちゃたよ問題

 ブログにも書いたが、数年前にSTATO社(旧ジャニーズ事務所)のアイドルを好きになってしまった。バンドもそうだが好きになってしまったらもうしょうがないのである。その前には戻れない。だがしかし、事務所がダメすぎて本当にどうにかしてほしい。元々この問題が明らかになる前から、運営としてのダメさにため息が止まらなかったのにそれに加えてこの諸問題である。私がきちんとした社会性を持ったオタクだったなら、キャンセルしていたかもしれない。今も本当ならキャンセルしたい。事務所に金を落としたくないが本人に金を落としたい。まともなファンが多ければもう少しまともな展開があったかもしれないが、ファンも信者が多いためおかしなことになっている気がする。

 私は小声でSNSで「早く移籍してくれ」とつぶやいたり、念じたりしている。友人がブラック会社にいてそこに留まり続けているような気分だ。そういう人には小声で転職したら?と言い、日々念じる。結構念を信じるタイプなので。

 これまでの人生、色々なものを好きになったが、このタイプの事象に巻き込まれるのが初めてなため、どうしたらいいのか分からない。今までそういうことに巻き込まれたオタクたち、どうしたらいいの?教えてほしい。こんだけ好きなバンドがあるのに不倫やら不祥事やらとも無縁の人生だった・・・なお不倫問題はあったとしても特に何とも思わない人間なので無かったことにしている可能性もある。

 

・身体の問題

 なんかずっと左半身が痛い。ストレッチと筋トレで良くなっても、数時間後には戻っている。とりあえず痛くない身体を目指したい。そのためにはコツコツ研究しかない。来年も研究しよう。

 

以上そんなこんなの2023年。今年は本厄でした!!死んでないのでOKです!!

良いお年を!!

夏前の記録

 夏前、アホみたいなスケジュール。

 「推し活」って言葉、気に入ってます?わたしは全然気に入ってない。全然しっくりこない。こっちは名前を付けられる前から自然にやってることなのに、名前を付けられた途端、巷の人に「いいね〜、楽しそうだね〜」って感じに見られるのが気に入らない。昔は「なんで同じライブに何回も行くの?」という冷ややかな目だったのに。独身貴族の物好きなことに変わらないから冷ややかな目で見てほしい。

 そんなこんなで冷ややかな目で見られる6〜7月を過ごした。

 

 

 

「6月1週目」

 第1土曜日、京都へ。

 出張で貯めに貯めたマイルで羽田→伊丹へ。なおこのマイルはコロナ前に東欧周遊で使い果たす予定だったが行けずにずっと手元にある。

 前日の金曜日、日本列島は大雨に見舞われた。本当に飛行機が飛ぶのか心配になり、何度もJALのホームページを見るが何も案内が出ておらず、逆に心配になる。

 朝起きてもまだ雨がかなり降っており、電車遅延を見越して早めの電車に乗った。肌寒く、その日見るバンドのロンTを着て羽田空港へ。Twitterを見る限り、新幹線が運休になっており、行けないためチケット譲ります、が多く出ていた。飛行機にして正解だった模様。

 京都を観光するために早起きして早い飛行機に乗った。伊丹空港からはリムジンバスが一番便利であったが、なるべく節約、が今回の6月の旅の目標のため電車で移動。

 大阪へ降り立つ。晴天。とんでもなく暑い。なぜ私は長袖を着ているのか。京都に向かう電車内で、シェアサイクルに登録。観光地は自転車に限る。

 利用したシェアサイクルはこちら

 

PiPPA ピッパ | 自転車シェアサービス(自転車レンタル)

 

 ポートもそれなりにあり、安かったので登録。ポートに停めれば返却ができるため、短時間の移動にもってこいである。いつも東京のシェアサイクルを使っているが、それが電動自転車で、なぜかこれも電動だと思い込んでいた。炎天下、漕ぎ続けるのが本当に辛かった。

 日差しが強すぎたため、ユニクロでサングラスを購入。なるべく節約のつもりが思わぬ出費。だが、自転車の安全運転には変えられない。

 重森三玲の庭を見たいとずっと思っており、なかなか京都を観光する機会に恵まれず、今回やっと見ることが出来た。

 今回見たのは東福寺東福寺-芬陀院。他にもまわるつもりであったがタイムオーバーで断念。

 

トップページ - 臨済宗大本山 東福寺

東福寺 芬陀院

 

東福寺の入口?青空、暑すぎ。
東福寺の庭。市松模様がかわいい。

芬陀院の丸窓。光がかわいい。



 炎天下、30分自転車を漕いだ火照った身体で庭の前の縁側(と言うのだろうか?)に座る。人の喋り声と風が木々を揺らす音。ぼーっと枯山水や、揺れる葉っぱを見る。表面の体温がどんどん下がり気持ちが良い。昔の人も同じようにここに座り、何かを思案したり、思い耽った顔をしていると思いきや特に何も考えていない、みたいな時間を過ごしていたのだろうか?もしかしたら寺でやることは沢山あるからそんな時間はなかったんだろうか?

 そんなことを考えているとあっという間に時間が過ぎていった。まだまだ気持ち的にはいたかったが、予約をしている店があったため、また自転車に跨り、30分走らせる。京都の街はご存じの通り賽の目上になっており、道が大変分かりやすい。と思っていた。が、なぜかナビ通りに走らせているのにルートから外れてしまう怪奇現象が相次ぎ、無駄に遠回りし、汗をかいてしまう事態となった。

 汗だくのなか訪れたのが事前に予約をしていたカフェ

SUGiTORA公式ホームページ

    Instagramで発見し、ぜひ行ってみたいと思って、事前に予約。焼き菓子も買いたかったが、パフェを食べたら満足してやめてしまった。普段甘い物をあまり食べないが、甘さ控えめで上品な味がしており、ぺろりと食べてしまった。酸っぱい感じが汗をかいた身体に染みわたった。店の中は小さいながらも綺麗で、お皿も含めてこだわっていそうで好感が持てた。カフェは2階にあるのだがその階段が小さくとんでもなく急なので足腰が悪い人は訪れるのが難しいかもしれない。値段はそれなりにするので、カフェ利用しているのは20代~30代くらいで落ち着いた雰囲気でそれも良かった。テイクアウトの列に並んでいるのは若い方が多かった。

パッションと地中海レモンとフロマージュのパフェ。染みわたる酸っぱさ。

 

 そうこうしている間に開場時間を逆算するとギリギリになりそうだったため、店を出て、物販を買いに会場へ。

 本日の会場は関東人憧れの磔磔です。

 ライブハウスに行き始めてはや12年くらい。いわゆる小箱と言われるライブハウスに行くようになったのはここ5年くらいだが、ここは是非行ってみたい場所だった。

 見た印象は、酒蔵!!!って感じ。周りはお店と住宅のため、本当にここでライブして大丈夫なのか?と思ってしまう。

終演後に撮った写真。木がいい音を染み込ませた色をしている。

 お目当てだったCD(一般流通に乗っていないため、公式サイトの通販もしくは会場でしか買えない)とグッズを買い、一旦宿に行きチェックインを行なう。

 今回泊まった場所はこちら。

ゲストハウス 菜の花 | 京都の女性専用ゲストハウス

 

 コロナが流行っている最中(今も流行ってますが…)は宿代が安く、ビジネスホテルやシティホテルに泊まることが出来たが、最近は観光客が増えて、観光地で土日もしくはその前後の場合おおよそ昨年の2倍~3倍の印象だ。ライブを見て、観光して、でお金がかかっているため、余程の事情が無い限りこの宿代を削るしかないと思っている。京都は場所柄、ドミトリーやカプセルホテルが多く、また急遽決めた遠方のライブでなかったためかなり安く宿泊が出来た。泊まった宿はドミトリー(2段ベッドみたいなものが並んでいて他人と相部屋)と個室があり、今回は個室を選択。布団を敷くと一杯になってしまうような広さだが、寝るだけなら十分であった。女性専用の宿なのでそういう意味でも安心であった。(ちなみに個室は鍵がかけられるタイプ)シャワーと湯舟があり、湯舟にお湯を張る場合数百円かかるが、なぜかライブで泊まっている人は無料というサービス付き。今度また磔磔に来る際はここを利用しようと思った。誰だったか忘れたが、大きめのホールかアリーナでライブがあるようで妙齢の一人旅の女性が多く、夜も静かでよかった。

 チェックインのタイミングが他の方より少し早かったようで、個室を選べたのだが、就寝前にかけるメガネを忘れてしまったため、トイレと洗面所に近い部屋を選択。ドミトリータイプの宿に泊まる際は絶対にメガネを忘れないようにしようと心に誓った。

 荷解きをしてようやくライブへ。ツアーのmy初日はいつだって緊張と期待が入り混じって落ち着かない。アルバムツアーだからアルバム曲をやることは分かっているが、それ以外になんの曲をやるのか、どんなアレンジをするのか、どんな演奏をするのか、想像が止まらない。

 はじめての磔磔。中に入ると、想像以上の木造。こんなところでライブして平気なのか(騒音的に)心配になる。そして、構える上手前方の柱。圧倒的存在感。音が滲みまくった柱だ。なんとなく触るとご利益がありそうだったため触ってみた。番号が良かったため、この圧倒的存在感の柱より前に行くことが出来、視界良好そうだ。

 そして気付く。私、この規模でPeople In The Box を見るのはじめてなのでは?はじめて行ったツアーで横浜のF.A.Dで見たことがあったが、あの時は仕事で遅刻をしたため、後ろの方で人にまみれて見たので近さを意識することができなかった。

 さて。ライブだが、久々に、良いライブを見た!と終演後ルンルンで帰れるくらいに良かった。関西という土地柄なのか分からないが、関東より断然にノリが良く、音楽がかかるとノリノリに動いてしまう私にとってとても居心地が良かった。いつもは周りが棒立ちすぎて遠慮してしまう。隣にいた、純文学が好きそうな男性と好みが似ているようで、「あなたの中の忘れた海」のイントロが演奏された瞬間、共にひっと息を飲み、顔をおさえて天を仰いだ。

 わたしにPeople In The Box の存在を教えてくれた友人が、ピープルの曲たちはいつだって生きることを諦めてない、と言っていたが本当にそうだと思った。腹を立てることも、立てるべきことも、理不尽も沢山あるけど、その一つ一つをしかと見つめて、それを放り投げるのではなく、抱えて生きていくことを肯定してくれる。孤独じゃない、共に生きよう、一緒にいる、と言ってくれる音楽はこの世に大量にあるが、孤独で、一人であることを見つめ直させて、この世の理不尽に対して武器を持たせてくれるような気分になる、そしてその武器は柔らかであたたかい、そんな気分にさせてくれる音楽は少ないと思う。特定の誰か(達)と共に生きていくことばかり強制されているような日々のなかで、一人で歩く手伝いをしてくれる音楽は偉大だ。

 そんなことをぼんやりと考えながら友人が教えてくれた馬刺しと日本酒のお店へ。一人で飲みながら記憶を反芻する。ライブバンドは好きだ。音源を聴いているかのように完璧な演奏よりも、限られた人数で、限られた手数で、工夫をしながら演奏し、音源とは異なる風景を見せてくれるバンドが好きだ。舞台で演劇を見る時もダンスを見る時も、その人の個性が見えたり、空気のブレみたいなものが見える方が好きだ。

 お店を後にして、コンビニで缶ビールを買い、部屋で飲む。窓を開けると、涼しい風が入ってきて、とても気持ちがよかった。繁華街の喧騒は聞こえず、時々車が通る音や話し声が聞こえたりした。ピープルのライブを見た後では珍しく、軽い耳鳴りがしていた。

 

 ライブ翌日、昼前に関西在住の友人と大阪で待ち合わせし、昼から飲む。昼から飲むのはあまり好きではないが、たまにやると楽しい。

 大阪は「梅田駅」「大阪駅」に降り立つたびに一人では絶対歩けない…と思ってしまう。梅田駅なのか、大阪駅なのか、どこなのかよく分からない駅の地下街にある人気の大衆酒場へ。

酒場 やまと 大衆居酒屋大好き。

昼前からビールと日本酒を飲む。飲みながら昨日見たバンドのことや今日これから見るバンドのことや共通の好きなバンドや音楽の話を沢山し、ほろ酔いになったので、少し早かったが空港へ。大きい空港では、航空会社のラウンジが使える為、そこで時間を潰せばよいので、大変助かる。これも遠方の出張が重なる年があり、出張族以外は修行をしないとたどり着けない航空会社のランクにたどり着けたためだ。ラウンジが空いていたのでコーヒーを飲み、デスクに突っ伏して仮眠を取り、酒を抜く。数十分眠り、飛行機に乗り込み、機内でも爆睡をし、着陸する頃にはすっかりお酒も抜け、寝不足も解消され元気になった。こういう時、移動中はいくらでも寝れる、お酒に強く、体力もある身体にしてくれた親に深く感謝をする。

 

 本日のライブは勤務地の渋谷のためどこにコインロッカーがあるのか、どのルートが人混みを避けてライブハウスに行けるのか、何もかもが分かっていて、昨日とは打って変わって脳みそに余計な負荷をかけなくて済む。そんな土地で見るのは昨年のはじめからドはまりしてしまったAgeFactoryのワンマンライブである。いつもは場内の撮影がOKなため、SNSを見ているとバンバンライブ映像が見れるが、今ツアーは撮影禁止、セットリストのネタばれ禁止、ツアー二日目であるためどんな曲をやるのか分からない。ちなみに数日前に配信された新曲「向日葵」が大好きすぎてそれさえ聞ければなんでも良かった。※ちなみに新曲リリースツアーなので聞けるのは確定している。

 そこそこ後ろの方の番号であったが、ギターボーカルと逆側の下手はガラガラであり、まさかの前から二列目を確保する。しかも1列目が軒並み女性で私より身長が低く、視界が良好すぎて最早最前列。だがしかし、私はここで一抹の不安を覚える。ここ最近の彼らのライブはとにかく激しい、モッシュ、ダイブ、何でもありである。しかも客層が若く(おおよそ10代後半~20代前半)、この失われた数年のためとにかくダイブするのも受け止めるのも下手である。そうこう不安に思っているうちにどんどん人は増えてきて、どうにも引けなくなり、私が前にいる私より小さい女性たちを守る気持ちになってきた。セキュリティもいるしなんとかなるだろう。全治3か月と言われていたがずっと治らなかった怪我も、最先端の自費診療のおかげで治った。私はいける!と心に決めて、開演。

 結果、怪我も無く、恐らく周りの人も特に怪我無く終わった。が、全然ダイバーを上手く流せない、受け止められなかったので、反省した。久々すぎてびっくりして何人かの脚を掴んでしまった(危ないので絶対ダメです)。力を入れる=掴むという脳ミソの回路になっていることが分かった。そして体幹がかなり弱っていることが分かったため、筋トレをきちんとすることを心に決めた。ダイブが下手、流すのが下手、と思っていたが、私もかなり適応能力が落ちていた。こう書いていると私が行ったのはライブなのか、何かの競技なのかよく分からなくなってくる。そして前日との様相の違いに風邪を引きそうだ。

 ライブの様子はこんな感じ


www.youtube.com

 

 小学校の高学年~高校生くらいまではYoutubeで海外のフェスの映像ばかり見ていたため、ライブはわちゃわちゃしていて、何か間違えると怪我をしたり、最悪の場合死に至ると思っている節がある。だからその憧れの映像の中に自分がいると思うと、この年になってもぐちゃっとしたライブにはテンションが上がってしまう。いい年なので力加減は間違えないし、帰ったあとのケアは万全にするが。

 前述の通り彼らのライブは基本撮影OKで、それによって得られているファン層がきっといるのだからそれは間違いではないと思うが、閉じられた空間で起きたことに関しては基本的にはその空間に留めておいたほうがいいのではないか、という気持ちが少しある。最近SNSで見るモッシュダイブ論争とか、MCのこととか、一部のファンの悪質な行為とか。一部は公にした方が健全であるかもしれないが、SNS全盛期、その場にいない人の方がマジョリティで声が大きくなり、実はそうじゃないんだけど…というその場にいた人の声は小さくなってしまう。

 とにかくスポーツなのか、競技なのか、格闘技なのか、芸術文化鑑賞なのかよく分からないこの空間では怪我をしないこと、怪我をさせないように振る舞うことが一番大切だと思う。

 そんなこんなで両極端なライブハウスを見た二日間が終了。体は既にヘトヘトである。

 

「6月2周目」

 友人たちと牧場に行き、丘を駆けずり回った挙句、フェスに行くという、高校生もびっくりのハードスケジュールです。元々、牧場に行くことは決まっており、そこにフェスが飛び込んで来たので受けて立った次第。正確にはライブで知り合った友人に夜中のACIDMAN見たくない??一人で行くのはちょっと….と言われて行ったのだ。その友人から借りたサンシェード(簡易テントのような日除け)を持ち、牛の乳搾りをし、丘を走り、サイゼリアで間違い探しをし、アウトレットで買い物をし、夕方からフェスに行くという、体力自慢の私ですらちょっとあり得ないな、と思うスケジュールである。

 

牧場。アイスが美味しい。丘を走る、友人たち。

 フェスは運営サイドのことが心配になるような人入りで、そのおかげで快適に過ごせた。食べ物・飲み物・トイレに並ばないフェスというのはかなり快適なのである。場所は東京テレポートから専用バスで15分くらいの、一般公開されていない、公園(埋立地の島)である。周りには東京湾風力発電のめちゃめちゃ大きい風車があり、不思議な感覚だった。巨大風車を目の前で見るのは初めてで、ぶおん、ぶおん、と風を切る音と、耳で感じる風音がとても大きくて驚いた。

 前日に雨が降っていたため、会場内のあちこちがぬかるんでおり、公式もサンダルとかで来ないでね!とツイートしていたが、そのツイートを見た頃には既に家を出ており、通気性のよい軽いスニーカーを履いており、絶望した。着いて1時間程度、1組しかアーティストを見ていないのに、ぬかるみに足を突っ込み、靴下までびしょ濡れ、しかも何故かとてつもなく臭い、という最悪コンディションになり、テンションがどん底になった。

 日が暮れ始めると風も出てきはじめて、大変気持ちが良かった。サンシェードの中で裸足になり、ビールを飲み、歌を聴いて、なんとかテンションを保つ。完全に日が暮れたあと、花火がはじまる。夜ご飯を食べながら花火を見る。みんなでわあ、と声を上げながら見て、それだけで感動して、今日来た甲斐があったな、とじんわり思った。

 その後、出張帰りの誘ってくれた友人が合流。ビールを飲む。既に21時を過ぎていたが、演奏は爆音のまま。なぜなら誰もいない、島だから。

 ここから先で、お目当てのThe band apartACIDMANを見たが、記憶が曖昧である。何故なら夜中でぼうっとしていたから。あとはこの後に立て続けにライブに行ったからである。

 朝までひたすら爆音の演奏を聞く。キャンプサイトもあるが、おそらくずっと音楽が流れているので眠れないと思う。私は夜寝ないと全く行動ができないため、2日連続は絶対に無理だと思った。

 オールナイトのフェスはいつもそうだが、帰宅したあとのシャワーの気持ちよさと朝ごはんの美味しさばかり覚えている。朝帰りのシャワーってどうして、あんなに美しいんだろう?

曇天!TOKYO ISLAND 2023

 

「6月3週目」

 16日(金)有給休暇を取り、遠方のライブへ。丸一日休んで遠方のライブに行くのは久々で、やはりこれくらい時間に余裕を持って趣味に時間を費やしたいと思った。

 またもや溜まっていたマイルで、昼前に羽田発伊丹着。大阪だと新幹線のイメージがあるが、飛行機は満席に近い感じで、ビジネスマンが多い。座っている時間が短くて済むので、出張でも今後許されるなら飛行機を選択したいと思った。

 お昼頃に梅田駅なのか大阪駅なのかよく分からない場所に着。

 ちょうどこの日にシガーロスの新アルバムが発売されて移動中のバスで聞いていたが、とてもよく、心震え、流れる景色を見ながら涙した。美しすぎる音だ。涙目のままバスを降り、2週間前に飲んだ、関西在住の友人と合流。その後、関東在住の友人と合流。3人で昼飲みです。とにかくお腹が空いていたのと意外と時間がなかったため、すぐに入れそうだったこの店へ。

新なにわ大食堂 魚屋スタンドふじ

 

 2人がツマミを頼む中、私は海鮮丼を頼む。空腹になるとぼうっとしてしまうのと具合も悪くなるため周りのことは気にせず食べる。食べながらビールと日本酒を飲む。これからライブのため控えめに飲む。それから色んなことを喋って、グッズ販売がはじまる時間が近付いてきたため、会場へ。

 本日は私が愛してやまない、ACIDMANの「re:Loop」ツアーの初日。Loopは2003年に発売されたACIDMANの2枚目のアルバムでそのアルバムの再度ツアーをしようではないか!というのが今ツアーのコンセプト。2019年に1枚目のアルバムの再ツアーもやっており、この時はその当時のセットリストも再現という内容であった。今ツアーも再現という形を取るのか、はたまた全く違うセットリストが組まれるのかわくわくで会場へ向かう。

 ツアーの初日というのは独特な緊張感があっていい。その独特な空気感が好きでよく行くが、大体その空気感に飲まれてあまり覚えてない。今回も例に漏れず、あまり記憶がない。

 ただアルバムツアー以降やっていなかったマニアックな曲が演奏されたり、Loopの楽曲たちも音源とは違う凛々しさを感じられる印象を受けたり、と断片的な記憶はある。

 あと、前にいた3人組が公演中にスマホでLINEをしたりしていてとても目障りだった。叩き落としてやろうかと思ったがしなかった。偉い。

 そんなこんなであまり集中が出来ないままぼんやりとした感じで2時間が終わる。でもカッコいいものを見た、という感覚は残っているのでヨシとする。

 そんなこんなで見たものを反芻したりしなかったりしながら友人たちと飲む。が、結構疲れ果てていたので、飲みも途中で抜けて寝床へ。今回もカプセルホテル。

 今回の寝床はこちら。

ファーストキャビン西梅田 | ファーストキャビン公式サイト

 通常のカプセルホテルより広いが、ロッカーがないので荷物が大きいと結構大変かもしれない。でも寝るだけには最高。ホテルだと寝るまでにテレビを見たりして無駄に睡眠時間を削ってしまうのだが、カプセルホテルはそれが無いため結果よく眠れる。この日は周りの人のマナーが良かったのか、ぐっすり朝まで眠れた。

 

 翌日、とんでもない暑さ。またユニクロへ行く。無駄な出費。帰るだけならよいがこの日は神戸へ移動。セットリストがすごい、と私のTL上で話題になっていた、ストレイテナーのライブを見るためだ。大阪と神戸が、渋谷と横浜くらいの気持ちで移動できるのは知っていたので、Twitterでチケットを探し譲ってもらった。

 昼すぎに神戸に着く。神戸は昨年出張で3〜4ヶ月ほど週に1度来ていたのでお馴染みの街だ。前日も会った友人たちと神戸で合流。また昼から飲む。

 お酒はほどほどに、神戸の海沿いの公園を歩く。生まれてこの方横浜にいる私からしたらコンパクト版横浜で、大変馴染み深い。90度回転した、インターコンチがあった。

右端に見えるのが90°回転したインターコンチ

 

 ストレイテナーのワンマンを見るのは前回の周年の幕張メッセ以来のため5年ぶり。その時は1週間前くらいに行くことを決めてチケットを取ったので、すごく後ろの方から彼らを見た。その時から考えたら驚くべき近さである。

 彼らを認識したのは恐らく高校生の頃なので、それなりに長く存在は知っていたが深く掘ることはしていなかった。音源は時々有名曲を聴く程度、フェスにいたり好きなバンドの対バン相手なら進んで行く、くらいの存在であった。ワンマンではないが何度もライブを見て、その度に「カッコいい!!!」と鼻息荒くなっていたのだが、私はワンマンライブに行かなかった。何故なら、フロントマンのホリエアツシが私にとって大変興味深く目を惹く存在であったためである。じゃあ、行けばいいじゃん?という感じだが、ワンマンを見たら絶対ゾッコンになる気がしたので避けていた。(ちなみにライブ友達との飲み会で一番好きなバンドマンは?と聞かれれば、全然知らないしよく分かんないけどホリエアツシ、と答えていた。それくらい自覚があった)

 そんないかにも落とし穴が隠されていそうな地面を全速力で通過する記念すべき日が本日である。

 結論どうだったか、と言われれば、完全に落とし穴に落ちた。

 キャリアもあるから演奏は上手いし、曲はバラエティに富んでいるし、曲がいい!!と大声で言いたくなる。

 私が大好きなバンドたちは、客席のことは何となく塊で見ていそうな視線が多いのだが(本当のことは分からないが)、このバンド、めっちゃこっち見てくる。怖い!!!!自分が目が合わなくても、あの人のことを見ていそう、とかこの辺りを見ていそう、ということが分かるレベルの視線。しかもそれが4人分。

 話は逸れるが、今春はじめてアイドルのコンサートに行った。お客さんは皆うちわを持って、ファンサービスや視線を受けることを期待している。何でそんなことをしているのかよく分からなかったのだが、この日、ああ、あのうちわの意味はこれか、と謎に納得したのである。(だが私は認知されたくないタイプのオタクなので視線はあまり受けたくない)

 そんなことを思いながら楽しんだ2時間。久々に人の汗が服につくようなおしくらまんじゅう状態になる。人が降ってくることがないため、首やら頭やらを守らなくてよいのは大変良い。ぎゅうぎゅうになりながら、ヘトヘトになりながら、汗をかきながら、2時間過ごしたらもうトリコだった。

 ライブ後は友人たちとお酒を飲む。わたしは見たライブの映像がフラッシュバックしてまともに喋れなかった。ライブ中のホリエアツシかっこよすぎる。なぜかっこいいのかよく分からないけど、かっこいい。

 まともに喋れるようになったのはだいぶ酔いが回って、日付を超えるか超えないか、くらいの時間であった。

 

「6月4週目」

 1週間ぶりのACIDMANのライブ。この日程が発表された時何度もため息をついた。初日と東京(神奈川)は絶対に行きたい。となると日程が近すぎる。贅沢な悩みである。

 今日は地元開催のため、ギリギリまで在宅ワーク。定時と共にパソコンを閉じ、駅までダッシュ。ギリギリまで働けて有休を使わずに済むのは良いが、なかなか頭が切り替わらないのがつらい。

 初日はこちらもド緊張、で、しかも前にいた人たちが演奏中におしゃべり、スマホをいじるなど、最悪な環境であった。二日目、演奏も環境もすごく良く、集中して見ることが出来た。ライブ中盤で披露された「ALE」という曲がとても心に響いてぼろぼろと泣いてしまう。この楽曲は最新アルバムに収録されており、人工流れ星プロジェクトのALEから着想を得て作られた楽曲である。ポップでキラキラしていて、別に泣くような曲じゃないのだが、アルバムツアーから高確率で泣いている。なんというか「世界美しい・・・でもその美しさに気付けない日々、私はなにも見ていない・・・世界ごめん・・・美しいままでいてほしいから頑張ります・・・」という謎の壮大な気持ちになってしまい、泣いてしまう。この曲で泣いてしまう話をSNSで知り合った人たちにすると、あまり共感は得られないのでちょっと特殊な解釈をしている可能性が高い。

 終演後は横浜のチェーン店で軽く飲んで、帰宅。翌日も遠方のライブへ行くため、飲みすぎないようにした。

 土曜日、午前中に掃除や買い物、飼い犬の通院などを爆速で終わらせ、またもや溜まったマイルで飛行機へ。こういう時体力のある人間でよかった、と健康な体を維持してくれた両親に感謝する。ちなみに、今回の旅は、毎週のように遊びまわっている私を両親と妹が白い目で見始めたため、大阪土産を大量に買い、有無も言わせない、という目的もある。

 急遽決めた、People In The Boxの大阪公演に今回は参加。どうしてもライブハウスでもう一度このセトリを見たかったのである。はじめての梅田クアトロ。勝手にこちらもパルコの中にあると思っていたが、全然違う場所にあった。入場まで階段で待たされるのだが(こちらは渋谷クアトロと同じ)、この階段がくそ暑い。汗だくになりながら入場。梅田クアトロは段が何段かあって大変見やすそうな構造。いつも下手(ギターボーカル側)にいるのだが、何となく上手(ドラム側)で鑑賞。

 何が要因かよく分からないが、3曲目くらいまで音が小さく聞こえて(前日も爆音に晒されているので小さく聞こえた可能性は高い)、あれ?と思っていたが、それ以降はまあまあな音量になり、気にならなくなった。そしてまさかの1曲、曲が追加されて驚く。これだからライブに行くのはやめられない。聴けると思っていなかった曲が演奏されたとき、何かしらの脳内物質が大量に放出されている気がする。

 やはり私は3ピースバンドが好きだなと思う。ピープルの演奏を見るたびにその思いがはっきりする。2日連続で美しい三角形を目撃できて心がほくほくした。

 京都で見た時に感じた、「一人で歩く手伝いをしてくれる」という感覚がやはりあった。前日に見たACIDMANが宇宙に連れて行ってくれて、美しい星を見せてくれる、美しい景色を見せてくれるような音楽で、ピープルはこの地球のこの土地のこの社会の中で生きていく方法を見せてくれるような音楽だなと思った。

 好きなバンドは沢山あるけれど、やっぱりこの2バンドが大好きだなあ、としみじみ思ったのであった。

 いつか2マンしてほしい。その中でACIDMANは「廻る、巡る、その核へ」やって、ピープルは「ヨーロッパ」「JFK空港」をやってほしい。でも腰と膝が爆散しそうだ。(説明すると、1曲が長いバンド、あまり動かないバンドをスタンディングで見ると腰と膝がとんでもなく痛くなります)

 ライブ後は奈良でAge Factoryを見てきた友人と合流して日本酒をしこたま飲む。友人は終電に乗れたが、私は終電を逃す。大阪メトロトラップ!!

 翌日せっせと大量の大阪土産を買う。551は肉まん以外が美味いと友人に教わったので購入。本当に美味かった。ちまき美味い。

大阪と言えば、のラインナップ。あとカールも買った。

【ところで】

 この記録を書いている間に夏が始まり、終わった。死を意識するような暑さを乗り越えて、私は棲家が変わり、仕事は近年稀にみる忙しさで、楽しかった記憶もずっと遠くへいってしまった。

【ところで、おわり】

 

 そんなこんなで6月終了。7月も続くが、現在11月でほぼ覚えてないので、割愛。

 特記事項としては一旦諦めたストレイテナーの熊本公演を見に行った。一旦諦めた、と書いたが全く諦められておらず、夢にホリエアツシが出演したため、行くことを決めたのであった。そこで泊まったドミトリーが最高にカッコよかったです。あと同じ建物に入っていた、レストランの店員がバンドマンみたいでカッコよかったです。

熊本で泊まったドミトリー。家具にもこだわりを感じられる。

tudzura.jp

ライブの翌日行ったカフェ。町屋を改装している。

珈琲回廊 | 日本、熊本県熊本市中央区西唐人町20

 

 

 これからもマイルを溜めて、健康な体を保ち、音楽を聴き、ライブにポーンと行けるような生活を目指して、心身健やかに生きたいと思います。

夏の創作

 毎年恒例、夏の創作の話。

 高校生の時からの友人たちとやる、グループ展。今年でなんと7回目になった。社会人になってから、友人に誘われて軽いノリで参加。軽いノリではじめたのにもう7年も経っている。毎年毎年、クールな作品を出し続ける友人たち、最高。

 今年のテーマは「にぎりつぶす」まず初めに浮かぶ絵は同じ(握り拳)なんだけど、そこからいろんな方向に派生していくのが面白いテーマだな、と思った。

 昨年は2回目からずっと使っていたギャラリーが閉館していたため使えず、鎌倉のギャラリーを使用したが、今年はいつものギャラリーに復活。ポケモンのイベントが行われていたため、1日の平均来場者数は過去最高を記録した。

 このグループ展をやっていると昔からの友人、高校時代の先輩、先生、が来場してなんだか懐かしいような、切ないような、昔に戻ったような、不思議な気分になる。

 高校時代の私は今より絶対暗く、悲観的で、厭世的で、プライドが高く、排他的な人間であったと思うし、そんな心持ちで生きていた頃には全然戻りたくないけど、8月のこのイベントに接している時だけはその時の私が少しだけ顔を出す。


 表現することは素晴らしい営みだと毎年毎年思う。誰のためでもなく、だからといって自分のためだけではなく、誰かに褒められると嬉しくて、何も言われないと寂しいけど、誰かに評価されたいわけではない。そんなわけ分からない感情を抱きながら自分でも分かるような分からないような物を作る。同い年で同じ社会の中で生きる友人たちが私が見えていない世界のものを描写したり、思いつかないアイディアを現実のものにしたりする。その度に私はひどく感心する。

 友人たちが健やかで(多分)無理をせずにこのグループ展を続けられていることに感謝し、自分も自由に生きられているこの環境に感謝する。

 友人たち、自由な発想の中にこだわりを持っていて素晴らしいなと思う。類は友を呼ぶ、友人たちみんな表に出ている性格は違うけど、根っこの部分が似ている気がする。


 今年はにぎりつぶしたときに感じる"罪悪感"に目を向けた。

 町のなかにある忘れてしまったもの、小さな罪、小さな悪、そんなものの記録を写真に残した。


 いつもギリギリに作品を制作するから夏の写真ばかりになるの辞めたい。と思ってもう何年経っただろう?

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 もう一つは昨年作った作品の続きみたいな詩の作品。

 詩を書く時、表に出てこない言葉や思いがたくさんあってそれらの地層の上に綺麗な言葉が並べられている気がして、その小さな言葉、小さな思いが、自分の手で握りつぶしている気がして、それも一緒に展示した。

 友人のよく行くギャラリーのオーナーさんがわたしの作品に対して、手書きの殴り書きと清書された詩、どっちが作品かわからないね。と言ってくれて嬉しかった。

 


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 これは最近気付いて、いつか克服したいと思っているのだが、こういう表現活動を7年もやっているのに私は人にこういうことをやっていると言えない。演劇に携わっていることも、人前で踊っていたことも、詩を書いていることも、人に言えない。バカにされそうで、恥ずかしくて言えないのだ。絶対バカになんかされないって、恥ずかしいものではないとわかってるのに言えない。いつか職場や友人にこんなことやってるよ!って言えたらいいな、と最近思う。

 続けることを目標にしていないが、続けられて7年。8回目も恐らくやると思う。最近周年のバンドのライブになぜかよく行くのだが、「こんなに長く続けられるとは思わなかった」「長く続けようとは思ってなかった」なんて言葉を聴いて、またまた〜続けようと思わないと続けられないでしょ〜とか思っていたが、8年目に突入してその言葉が何となく分かってきた。共同制作は基本しないので、全く意味合いは違う気がするが。

 きっと来年の夏も、もっと早く製作に取り掛かればよかった、と言っている気がする。

春の記録、という名の睡眠の話

『寝付きが悪い人生』

 小学生くらいのときから寝付きが悪い。最近は基本的にすぐに眠れるようになっていたが、今年の春のはじめは久しぶりに自分の寝付きの悪さを自覚した。

 私は睡眠に対して貪欲だ。ロングスリーパーなので7.5時間以上眠らないと日中上機嫌に過ごせない。だから大人になった今でも日付が変わる前に布団に入るようにしている。市販の枕で首が痛くなったことがあるのでバスタオルとフェイスタオルでその日の姿勢に合わせて枕を作り、基本的に毎日同じ時間に眠ろうとする。興奮してしまうので寝る前に読書はしない。ひたすら犬を撫でている。子供の頃は別の部屋で楽しく喋っている家族のことを羨ましく思い、混ざりたくもあったが、翌日のことを考えて機械のように同じ時間に寝床に入る。

 だが、眠れない日がある。

 小中学生くらいまでは結構な頻度で眠れていなかった気がする。大学生くらいになってやっと同じ時間に眠れるようになった。社会人になると疲れるせいか眠れない日は少なくなった。

 だが3月はとても寝付きが悪かった。酔っ払わないとなかなか眠れない。なのに仕事は忙しく頭と身体は疲れている。ショートスリーパーだったら良かったのに、そう何度も思った。朝目が覚めて、頭が痛く、身体も重い、さっきまで寝ていたのにまだ眠りたいと思う。

 眠れない夜の曲はこの世の中にゴマンとある。大体何か考えて、窓の外が白んでいくのを見ている。その曲たちは内省的で世の中から切り離されているようで、そして少しだけ自分に対して暴力的で、美しい。だが、私の場合本当に眠れない夜は全然美しくもないしドラマティックでもないし、内省的でもない。ひたすら眠りたい、としか考えていない。過去のこととか、宇宙のこととか、明日のこととか、考えて夜が明けていくのを見たい。

 眠れない時私はずっと目を瞑っている。眠気がふいにやってきた時逃さないようにするためだ。眠れないからと言って起きてスマホをいじったり、夜中の通販番組を見たりしない。じっと眠気を捕まえようとする。寝返りも最低限にし、ひたすら身体の力を抜き、呼吸を整え、寝ようとする。

 でも眠れない。

 朝4時くらいになると新聞配達のバイクの音が聞こえ、絶望感が体を支配する。大体この時間帯になるとカラスが鳴いたりする。5時になると電車が走る音が聞こえ始める(我が家は線路に近いため静かになると電車が走る音が聞こえる)。この時間になると頭痛がし始め、もう眠るのを諦める。

 どんなに眠れなくても大体5時くらいになるとふいに眠りに落ちることができる。そして数時間後に目覚ましが鳴る。

 眠れない日々は急に終わる。

 何が原因で眠れないのか分からないが、いまは大変よく眠れているので原因を追求する気にもならない。

 そしてまたやってくる眠れない日々にノーガード、素手で戦いを挑むのだ。

 理由のある眠れない夜を過ごしたい。